暑い日に家でアイスラテを作ってみたら、思ったより薄くて水っぽい。氷を入れたグラスに熱いコーヒーを注いだら、ミルクの味ばかりになってしまった。そんな経験はありませんか。カフェで飲むアイスラテと家の一杯の差は、豆や器具の良し悪しよりも「何を先にグラスへ入れるか」と「どれくらい濃いコーヒーを使うか」で生まれていることが多いんです。
結論から言うと、メーカー公式のアイスラテのレシピには2つの順番があります。デロンギやネスプレッソのアイスラテのレシピは氷と冷たいミルクを先に入れてエスプレッソを後から注ぎ、ネスプレッソのアイスコーヒーページのアイスラテは氷の上にコーヒーを抽出してから、上からミルクを注ぎます。どちらも、熱いコーヒーをまず冷たいものに当てる点は同じです。デロンギの全自動コーヒーマシン向けレシピでは、エスプレッソを「氷にあてるように静かに注ぎます」と案内されています。エスプレッソマシンがない家なら、全日本コーヒー協会のアイスコーヒーの淹れ方にあるように、粉を多めにして濃く抽出したコーヒーを使うのが出発点になります。
この記事では、アイスラテの定義とカフェオレ・カプチーノとの違い、ネスプレッソ・デロンギ・全日本コーヒー協会の公式情報にある分量の比較、マシンがない家での作り方、薄くなる失敗の原因、そしてカフェイン量の公的な数値までを、理屈から順番に整理していきます。
・アイスラテとアイスカフェオレ、カプチーノの違い(全日本コーヒー協会の説明をもとに)
・ミルクを先に入れるレシピと後から注ぐレシピの違い、氷にあてて注ぐ理由
・ネスプレッソとデロンギの公式レシピにある牛乳・氷・エスプレッソの量の比較
・マシンがなくても濃いドリップで作る方法と、薄くなる失敗の原因
アイスラテとは?エスプレッソと冷たいミルクで作る「冷たいカフェラテ」

定義の土台はカフェラテ——エスプレッソとミルクを1対4
アイスラテは、ひとことで言えば「冷たくして飲むカフェラテ」です。その土台になるカフェラテについて、全日本コーヒー協会のコラムでは、エスプレッソとミルクを1対4の割合で合わせたもので、語源はイタリア語と説明されています。つまりラテの主役は、ドリップコーヒーではなくエスプレッソという濃縮されたコーヒーなんです。
一方で、同じ協会のサイトではアイスラテだけを独立して定義したページは確認できませんでした。そこで冷たいバージョンの作り方は、エスプレッソマシンのメーカーが公開しているレシピで確かめることになります。ネスプレッソとデロンギの公式レシピはどちらも、冷たいミルクと氷を入れたグラスにエスプレッソを注ぐ形です。
やりがちなのが、「コーヒーに牛乳を入れたものは全部ラテ」と考えてしまうこと。名前の違いはベースのコーヒーと割合の違いから来ているので、ここを押さえるだけで、作るときにどんなコーヒーを用意すべきかが見えてきます。なお1対4はあくまで協会の説明値で、お店やメーカーによって実際の量は異なります。家で作るときは「ミルクが多めの飲み物」という目安として使うのがちょうどいいですよ。
カフェオレとの違いは「ベースのコーヒー」と「割合」
カフェラテとよく比べられるカフェ・オ・レは、全日本コーヒー協会の説明では、ドリップコーヒーにミルクを1対1の割合で合わせたもので、語源はフランス語とされています。違いは大きく2つで、ひとつはベースがエスプレッソかドリップコーヒーか、もうひとつはミルクの比率です。
なぜこの違いが味に出るかというと、エスプレッソは少量でも濃さがあるため、ミルクを4倍入れてもコーヒーの存在感が残りやすい。反対にドリップコーヒーはエスプレッソより薄いので、ミルクと同量程度で合わせるのが基本の形になっている、と整理するとわかりやすいと思います。
家で起こりがちなのは、ドリップコーヒーをラテの比率でミルク多めにしてしまい、「牛乳の味しかしない」となるケース。これは比率の問題というより、ベースの濃さに対してミルクが多すぎることが原因と考えられます。ドリップで作るならカフェ・オ・レの比率を、エスプレッソで作るならラテの比率を意識する。名前に合わせて比率を選ぶだけで、味のバランスが崩れにくくなります。
| 項目 | カフェラテ | カフェ・オ・レ | カプチーノ |
|---|---|---|---|
| ベースのコーヒー | エスプレッソ | ドリップコーヒー | エスプレッソ(ラテと同系統) |
| ミルクとの関係 | エスプレッソとミルクを1対4 | ドリップコーヒーとミルクを1対1 | 厚みのあるフォームドミルクが特徴 |
| 語源 | イタリア語 | フランス語 | — |
カプチーノとの違いはミルクの泡立て方
カプチーノについては、全日本コーヒー協会のコラムで「ラテとの違いはミルクの泡立て方。厚みのあるフォームドミルクが特徴。」と説明されています。コーヒーとミルクという材料は同じでも、ミルクを空気を含ませて泡にするかどうかで、口当たりも見た目も別の飲み物になるわけです。
アイスラテの場合はどうでしょう。今回確認したネスプレッソとデロンギのアイスラテのレシピには、ミルクを泡立てる工程は書かれていません。どちらも冷たい牛乳をそのままグラスに注ぎ、その上からエスプレッソを加える作り方です。つまり家で作るアイスラテは、泡を作らなくても成立する、手間の少ないミルクコーヒーと考えて大丈夫です。
よくある迷いが、「アイスのカプチーノとアイスラテの差がわからない」というもの。泡の層があるかどうかが分かれ目なので、泡立てたミルクをのせたければカプチーノ寄り、冷たいミルクを注ぐだけならラテ寄り、と考えると混乱しません。泡を作る場合は使っている器具の取扱説明書で、冷たいミルクに対応しているかを先に確認しておきましょう。
エスプレッソ=カフェラテやカプチーノのベースになる濃いコーヒー。フォームドミルク=空気を含ませて泡立てたミルクで、全日本コーヒー協会はカプチーノの特徴として説明しています。アイスラテ=協会に単独の定義ページは見当たらず、メーカー公式レシピでは冷たいミルクと氷にエスプレッソを合わせる飲み物として紹介されています。

カフェオレやアイスコーヒーとどう違う?冷たいミルクコーヒーの見分け方
アイスコーヒーは「ミルクなし」が前提、抽出の考え方も別
アイスラテとアイスコーヒーの違いは、ミルクが主役の一部かどうかです。全日本コーヒー協会のアイスコーヒーの淹れ方は、ペーパードリップで濃く抽出したコーヒーを冷やして飲む方法で、ミルクは材料に入っていません。細挽き〜中細挽きの粉12〜15gで、1杯140mL分を淹れる分量になっています。
アイスコーヒーでも濃く淹れるのは、協会の説明にある「粉は多めに、お湯は少なめにして濃く抽出」という考え方によるもの。氷で冷やす飲み物は、冷やす過程で氷が溶けた水が加わるため、最初から濃いめに作っておく発想だと読めます。アイスラテもこれと同じで、氷に加えてミルクでも割られるので、ベースの濃さがより大切になります。
やりがちなのは、市販のアイスコーヒーやホット用に淹れた普通の濃さのコーヒーに、たっぷりの牛乳を足して「アイスラテ」にすること。ミルクと氷の両方で薄まるので、コーヒーの味が感じにくくなりがちです。家で作るときは、ベースのコーヒーがどれくらい濃いかを最初に確認しましょう。
実は、家で作る「アイスラテ」の多くはアイスカフェオレに近い
意外と知られていないけれど、エスプレッソマシンを持たずに作る「家のアイスラテ」は、全日本コーヒー協会の定義に照らすとカフェラテよりカフェ・オ・レに近い飲み物です。協会の説明では、カフェラテのベースはエスプレッソ、カフェ・オ・レのベースはドリップコーヒー。ドリップで淹れたコーヒーに冷たい牛乳を合わせれば、名前としてはアイスカフェオレに分類するのが自然、ということになります。
これは「名前が違うからダメ」という話ではありません。大事なのは、ベースが違えば合う比率も違うという点です。ドリップベースなのにエスプレッソ用の1対4に近い量の牛乳を入れると、コーヒー感が足りなくなりやすい。逆に、ドリップベースだと自覚していれば、カフェ・オ・レの1対1を目安にしたり、協会のアイスコーヒーと同じように濃く抽出したりと、調整の方向が見えてきます。
カフェのメニュー名や缶飲料の名前に引っぱられず、手元にあるのがエスプレッソか、濃いドリップか、普通のドリップかを確認する。これだけで、家の一杯が「何に近い飲み物なのか」がはっきりして、失敗の原因も探しやすくなりますよ。
名前より「ベース」と「比率」を見ると選びやすい
冷たいミルクコーヒーを作り分けるときは、名前ではなくベースと比率で考えるのが近道です。エスプレッソを少量使ってミルクを多めにするならラテ、ドリップを使ってミルクと同量程度にするならカフェ・オ・レ、ミルクを入れずに濃いドリップを冷やすならアイスコーヒー、と整理できます。
この整理が役立つのは、手持ちの器具で何を作るか決めるときです。カプセル式や全自動のエスプレッソマシンがあればアイスラテを、ドリッパーしかなければアイスカフェオレやアイスコーヒーを基本にする。器具に合わない飲み物を無理に作ろうとすると、比率の調整が難しくなります。
注意したいのは、比率はあくまで目安で、グラスの大きさや氷の量でも仕上がりが変わる点です。次の比較表で、3つの冷たい飲み物の違いを並べておきます。
| 項目 | アイスラテ | アイスカフェオレ | アイスコーヒー |
|---|---|---|---|
| ベース | エスプレッソ | ドリップコーヒー | 濃く抽出したドリップコーヒー |
| ミルクの目安 | カフェラテの説明は1対4(店・メーカーで異なる) | カフェ・オ・レの説明は1対1 | 入れない |
| 必要な器具 | エスプレッソが淹れられるマシン | ドリッパー | ドリッパー |
ミルクは先か後か?公式レシピにある2つの順番

デロンギとネスプレッソのアイスラテのレシピは「氷とミルクが先」
アイスラテの作り方でいちばん差が出るのが、注ぐ順番です。ネスプレッソのアイスラテのレシピでは「グラスに氷と牛乳を入れ、その上から抽出したエスプレッソをゆっくりと注ぎ入れる。」と案内されています。デロンギのレシピも、先にグラスへ氷と冷たいミルクを入れ、そこにエスプレッソを加える流れです。
ただし、同じネスプレッソでもアイスコーヒーのページに載っているアイスラテ2種は、グラスに氷を入れて氷の上にコーヒーを抽出し、最後に「上からミルクを注ぐ」手順です。ミルクが先か後かは、レシピによって違うということです。
この順番の利点として考えられるのは、熱いエスプレッソが最初に触れるのが、すでに冷えている氷とミルクだということ。グラスの中に冷たいものが十分あるので、エスプレッソが加わっても全体の温度が上がりにくく、氷が一度に溶けにくい状態で合わせられます。
反対にやりがちなのが、グラスにエスプレッソを先に入れ、あとから氷と牛乳を足す作り方。熱いコーヒーに氷を入れると、冷やす役目を氷だけが受け持つことになり、溶けた水でコーヒーが薄まりやすくなります。家で作るなら、少なくとも氷は先にグラスへ入れ、熱いコーヒーを最初に冷たいものへ当てる順番を守ってみてください。
「氷にあてるように静かに」が意味すること
デロンギのレシピには、エスプレッソを「氷にあてるように静かに注ぎます」と書かれています(デロンギ公式)。ネスプレッソのアイスラテのレシピでも「ゆっくりと注ぎ入れる」とされていて、どちらも勢いよく注がないことを求めています。
理由について公式に詳しい説明はありませんが、氷に当てながら注ぐと、熱いエスプレッソが氷の表面を伝って少しずつミルクへ入っていく流れになります。一気に注ぐよりも、氷とミルクの冷たさで受け止めながら合わせられる、という考え方と読めます。
家でよくある失敗は、マシンから抽出したカップのエスプレッソを、グラスの真ん中へドボッと入れてしまうこと。エスプレッソがミルクの中に勢いよく入り、氷に当たらないまま混ざります。注ぐときはカップの口をグラスの氷に近づけ、氷の上に細く落とすイメージで。小さなピッチャーやミルクジャグに移してから注ぐと、量と勢いをコントロールしやすくなります。
ネスプレッソの「氷の上に抽出」という発想
ネスプレッソのアイスコーヒーのページでは、紹介されているレシピに共通して、氷の上にコーヒーを抽出する作り方が採られています。カップに一度受けてから注ぐのではなく、氷を入れたグラスをマシンの下に置いて、そこへ直接抽出するという方法です。アイスラテの場合は、そのあとで上からミルクを注ぎます。ページでは「必ずコーヒーが氷に直接触れるように抽出してください」と、急冷の大切さも案内されています。
この方法なら、抽出されたエスプレッソは最初から氷に当たります。デロンギのレシピにある「氷にあてるように」という注ぎ方を、注ぐ工程そのものを省いて実現している、と考えるとわかりやすいでしょう。カップを経由しないぶん洗い物が1つ減るのも、家で作るうえでは地味にうれしいところです。
ただし注意点もあります。グラスの高さがマシンの抽出口の下に収まるかは機種によって違うので、取扱説明書でカップを置ける高さを確認してください。また、ここで紹介したのはカプセル式マシンの例です。別の型のマシンに同じ手順がそのまま当てはまるとは限らないので、使っているマシンのメーカー公式レシピを確認するのが確実です。
牛乳は何ml?メーカー公式の分量を並べて見えること
コーヒーの教科書調べ:公式レシピの分量を一覧にすると
アイスラテの分量は、メーカー公式のレシピの中でも幅があります。コーヒーの教科書では、ネスプレッソとデロンギの公式レシピ、全日本コーヒー協会のアイスコーヒーの淹れ方に書かれている分量を、記載のある項目だけ並べてみました。数字はいずれも各公式ページの記載どおりで、編集部が独自に測った値ではありません。
並べてみると、エスプレッソの量、牛乳の量、氷の数がレシピごとにかなり違うことがわかります。順番も、ミルクを先に入れるレシピと、氷の上にコーヒーを抽出してからミルクを注ぐレシピがあります。共通しているのは、熱いコーヒーをまず氷などの冷たいものに当てることです。
| レシピ | コーヒー | ミルク | 氷・グラス |
|---|---|---|---|
| ネスプレッソ アイスラテ | カプセル2個をエスプレッソ(40ml×2)で抽出 | 牛乳50〜60ml | 氷4〜5個(調理時間3分) |
| ネスプレッソ アイスコーヒーページ(エスプレッソ) | エスプレッソ40ml | ミルク90ml | 氷3個(約90g)、氷の上に抽出し、上からミルク(オリジナル) |
| ネスプレッソ アイスコーヒーページ(大きいグラス) | 氷の上に抽出(量は公式ページ参照) | ミルク180ml | 550ml以上のグラスに氷6個(約180g)、抽出後に上からミルク(ヴァーチュオ) |
| デロンギ アイス・カフェラテ(全自動) | 深煎り豆でエスプレッソ約30mL | 牛乳120mL | たっぷりの氷 |
| 全日本コーヒー協会 アイスコーヒー(参考) | 粉12〜15gで140mL分を濃く抽出 | なし | 氷は適量 |
デロンギはほぼ1対4、ネスプレッソはエスプレッソ多め——幅をどう読むか
デロンギのレシピはエスプレッソ約30mLに牛乳120mLなので、量の比で見るとおおよそ1対4。全日本コーヒー協会が説明するカフェラテの割合とほぼ重なります。一方、ネスプレッソのアイスラテはエスプレッソ40ml×2に対して牛乳50〜60mlで、ミルクよりコーヒーのほうが多い配合です。同じ「アイスラテ」でも、ミルク寄りとコーヒー寄りの両方が公式レシピとして存在するわけです。
この幅が生まれる理由は公式には書かれていませんが、どんな味わいの一杯を想定しているかの違いと考えるのが自然でしょう。どちらが正しいというより、ミルクのまろやかさを楽しみたいならデロンギ型、コーヒーの濃さを前に出したいならネスプレッソのアイスラテ型、と自分の好みで選ぶ基準として使えます。
やりがちなのは、1つのレシピの数字を「アイスラテの正解」と思い込み、別のマシンや別のグラスにそのまま当てはめること。1社の値を一般化せず、「メーカーにより異なる」と理解したうえで、自分のマシンのメーカー公式レシピから始めるのがいちばん失敗が少ない方法です。
シーン別:自分に合うレシピの選び方
手持ちの器具と飲みたい量から、出発点にするレシピを選ぶと迷いません。カプセル式マシンで、コーヒーの濃さをしっかり感じたい人は、ネスプレッソのアイスラテ(カプセル2個・牛乳50〜60ml・氷4〜5個)が目安になります。調理時間3分と案内されているので、朝の短い時間にも合わせやすい配合です。
大きなグラスでたっぷり飲みたい人は、ネスプレッソのアイスコーヒーページにある550ml以上のグラスを使うレシピが参考になります。氷6個(約180g)とミルク180mlと、氷とミルクの量がしっかり示されています。全自動マシンで、ミルク多めのまろやかな味が好きな人は、デロンギのエスプレッソ約30mL・牛乳120mLの配合から始めるのがいいでしょう。
エスプレッソマシンを持っていない人は、次の見出しで紹介する全日本コーヒー協会の濃く淹れるドリップをベースにします。どのレシピでも、最初は公式の分量どおりに作り、そこから牛乳を少し減らす・増やすと1か所ずつ変えると、自分の好みとの差がつかみやすくなりますよ。
公式レシピでも分量には幅があり、牛乳はネスプレッソのアイスラテで50〜60ml、デロンギで120mL、ネスプレッソの大きいグラス版で180mlと違います。ミルクを入れる順番もレシピによって違います。まず自分のマシンのメーカー公式レシピどおりに作り、牛乳の量を1か所ずつ調整するのが近道です。
エスプレッソマシンがない家ではどう作る?濃いドリップで代用する手順
全日本コーヒー協会の「濃く抽出」をベースにする
エスプレッソマシンがない家でアイスラテ風の一杯を作るなら、ベースは濃く淹れたドリップコーヒーになります。全日本コーヒー協会のアイスコーヒーの淹れ方では、「粉は多めに、お湯は少なめにして濃く抽出」することが基本とされ、細挽き〜中細挽きの粉12〜15gで1杯140mL分を淹れる分量が示されています。
全日本コーヒー協会は、粉を多めに・お湯を少なめにする理由を「氷が溶けて薄まることを考慮して」と説明しています。ミルクと氷で割るアイスラテ風の一杯なら、このアイスコーヒー用の濃さは相性のよい出発点です。前の見出しで触れたとおり、定義上はアイスカフェオレに近い飲み物になりますが、作り方の工夫としては十分に使えます。
注意したいのは、ホットで飲むときと同じ粉の量・挽き目で淹れてしまうこと。ミルクと氷で二重に割られるので、ホット用の濃さでは物足りなくなりがちです。粉の挽き目はミルの目盛りや豆の袋の表示を確認し、細挽き〜中細挽きの範囲に合わせてください。

蒸らしと3回注ぎで、濃さを安定させる
抽出の手順は、協会の説明では「お湯を20mL注いで30〜40秒蒸らしたのち、3回に分けてお湯を注ぎ、コーヒーを抽出する」とされています(全日本コーヒー協会)。最初に少量のお湯で粉全体を湿らせ、そのあと数回に分けて注ぐ流れです。
蒸らしを入れるのは、粉全体にお湯を行き渡らせてから本格的に注ぐことで、お湯が一部だけを素通りしにくくするため、と説明されることが多い工程です。最初から一気に注ぐと、粉の一部にしかお湯が当たらず、濃さにムラが出やすくなります。濃く淹れたいアイス用こそ、蒸らしを省かないことが大切です。
やりがちなのは、濃くしたいからと湯量を減らそうとして、注ぐ回数まで減らしてしまうこと。協会の手順は湯量140mLを3回に分ける形なので、回数を守ったうえで全体の量を管理します。スケールにサーバーをのせて注げば、何mL注いだかが見えるので、毎回の濃さを揃えやすくなりますよ。
冷やし方は2通り——氷水で冷やすか、氷に直接注ぐか
協会の説明では、抽出したコーヒーの冷やし方として「サーバーを氷水に浸して冷やす」方法と、氷が入ったサーバーに直接注ぎ入れる方法が紹介されています(全日本コーヒー協会)。どちらを選ぶかで、仕上がりの濃さに差が出ます。
サーバーごと氷水に浸す方法は、コーヒーに氷の水が混ざらないので、抽出したときの濃さを保ったまま冷やせます。アイスラテ風にミルクで割る場合、ベースを薄めずに済むのが利点です。一方、氷入りのサーバーに直接注ぐ方法は早く冷えますが、溶けた氷の分だけコーヒーは薄まります。ミルクを合わせる前提なら、氷水で冷やすほうが濃さを残しやすいと考えられます。
注意点は、氷水で冷やすと時間が少しかかること。急いでいるときは氷入りサーバーを使い、そのぶんミルクの量を控えめにするなど、組み合わせで調整するといいでしょう。モカポット(マキネッタ)で作る方法もありますが、水量や火加減は器具ごとに違うので、使う器具の取扱説明書で確認してから試してください。
いつものホット用ドリップを氷入りのグラスに注ぎ、さらに牛乳を足すと、氷とミルクの両方で割られてコーヒーの味がぼやけます。原因はベースの濃さ不足。全日本コーヒー協会の考え方どおり、粉は多めに・お湯は少なめにして濃く抽出し、冷やすときはサーバーを氷水に浸す方法を選ぶと、ミルクに負けにくいベースになります。
薄い・ぬるい・味がぼやける…家で起きやすい失敗と原因
失敗:常温の牛乳を使って、氷がすぐ溶けてしまう
アイスラテが水っぽくなる原因として見落としやすいのが、牛乳の温度です。デロンギのレシピでは「グラスにたっぷりの氷を入れ、冷たいミルクを注ぐ」とされ、ミルクは冷たい状態で使う前提になっています(デロンギ公式)。
常温に置いておいた牛乳を使うと、グラスの中で冷たいのは氷だけになります。そこへ熱いエスプレッソが加わると、全体を冷やす役目を氷が一手に引き受けることになり、氷が早く溶けて薄まりやすくなると考えられます。冷たいミルクを使えば、ミルク自体も冷やす側に回ってくれるので、氷への負担が減るわけです。
対策はシンプルで、牛乳は冷蔵庫から出してすぐ使うこと。あわせて、氷は「たっぷり」と書かれているデロンギのレシピのように、グラスに少しだけ入れるのではなく、しっかり入れておきましょう。氷が少ないと、熱いエスプレッソを受け止めきれずに溶けて小さくなり、冷たさも濃さも保ちにくくなります。
牛乳を出しっぱなしにしておき、氷も少しだけ入れたグラスにエスプレッソを注ぐと、氷がすぐ溶けてぬるく水っぽい一杯になりがちです。原因は冷やす材料が足りないこと。デロンギのレシピのように、冷たいミルクとたっぷりの氷を先にグラスへ入れてから、エスプレッソを最後に注ぎましょう。
失敗:エスプレッソを勢いよく注いで、一気に混ざってしまう
もうひとつよくあるのが、注ぎ方の問題です。ネスプレッソのアイスラテのレシピは「ゆっくりと注ぎ入れる」、デロンギは氷にあてるように静かに、と案内していて、どちらも勢いをつけない注ぎ方を求めています。カップのエスプレッソをグラスの中央へ一気に入れると、氷に当たらずにミルクの中へ直接入り、冷たい材料で受け止める流れが崩れてしまいます。
こうなると、熱いコーヒーが一度にミルクと混ざって温度が上がり、結果的に氷が溶けやすくなると考えられます。また、エスプレッソは量が少ないので、どこに注いだかで味の印象が変わりやすい飲み物でもあります。
コツは、注ぐ道具と高さを工夫すること。カップの縁をグラスの氷に近づけて細く注ぐ、注ぎ口のある小さなピッチャーに移してから注ぐ、といった方法が取りやすいでしょう。カプセル式なら、ネスプレッソのように氷の入ったグラスへ直接抽出すれば、注ぐ工程自体がなくなります。飲む前に軽く混ぜて、全体の味を均一にしてから飲むのがおすすめです。
豆とミルクの選び方で変わるところ
使う豆については、デロンギのアイス・カフェラテのレシピで深煎りのコーヒー豆が指定されています。ミルクと氷で割る飲み物なので、焙煎による苦味やコクがしっかり出る豆を選ぶ、という考え方と読めます。ただしこれは全自動コーヒーマシン向けの1つのレシピで、深煎り以外で作ってはいけないという意味ではありません。浅めの焙煎の豆を使うと、ミルクに合わせたときのコーヒー感が控えめになる可能性がある、と覚えておけば十分です。
ミルクについては、今回の公式レシピはどれも牛乳を使っています。豆乳やオーツミルクなど牛乳以外で作る場合は、混ぜたときの状態や注意点が牛乳とは変わることがあるので、別の記事で詳しく整理しています。

甘さをつけたいときは、デロンギのレシピにあるように、お好みでガムシロップを加える方法が案内されています。入れるタイミングはエスプレッソを注いだあとで、レシピの流れでは最後の工程です。
アイスラテのカフェインはどれくらい?公的な数値で分かることと分からないこと
食品安全委員会のファクトシートにある数値
カフェインの量を調べるときに頼れる公的な資料が、食品安全委員会のファクトシート「食品中のカフェイン」です。ここでは、コーヒーの浸出液のカフェイン量が100mlあたり60mgとされ、浸出方法はコーヒー粉末10gを熱湯150mlで淹れた条件と示されています。
同じ資料では、インスタントコーヒーが100mlあたり57mg(インスタントコーヒー2gを熱湯140mlで溶いた条件)、紅茶が100mlあたり30mg(茶5gを熱湯360mlで1.5〜4分浸出した条件)とされています。数値を見比べると、同じ100mlあたりでもコーヒーと紅茶で差があることがわかります。
やりがちなのは、こうした数値を「1杯あたり」と読んでしまうこと。表の単位はどれも100mlあたりで、しかも決められた淹れ方の条件つきです。飲む量やコーヒーの濃さが違えば、実際に口にする量も変わります。数値を見るときは、単位と条件を必ずセットで確認しましょう。
| コーヒー(浸出液) | 100mlあたり60mg(コーヒー粉末10g/熱湯150ml) |
| インスタントコーヒー | 100mlあたり57mg(インスタントコーヒー2g/熱湯140ml) |
| 紅茶 | 100mlあたり30mg |
| アイスラテ1杯 | 公的な一次資料に該当する数値はなし |
ラテ1杯分には、そのまま当てはめられない
アイスラテのカフェイン量を知りたい人は多いのですが、ラテ1杯あたりの量は、今回確認した公的資料には示されていません。食品安全委員会の数値は、決まった条件で淹れたドリップの浸出液やインスタントコーヒーの値で、エスプレッソをミルクで割った飲み物の値ではないからです。
アイスラテはエスプレッソを使い、その量もレシピによって約30mLから40ml×2まで幅があります。さらにミルクや氷で割るので、100mlあたりの数値をそのまま掛け算しても、実際の1杯の量を表すことにはなりません。ここで独自の推定値を出すと、かえって誤解につながるため、この記事では数値を作らずにおきます。
気になる場合は、市販品なら商品の表示やメーカーの公表値を確認するのが確実です。家で作る場合は、使うコーヒーの量そのものを調整することになります。体調や妊娠中のカフェインについては医師に相談してください。
カロリーや甘さが気になるときは、ミルクとシロップの表示を見る
アイスラテのカロリーも、使う牛乳の種類と量、シロップを入れるかどうかで大きく変わるため、1つの数字で言い切ることはできません。今回参照した公式レシピにはカロリーの記載がないので、この記事では数値を載せていません。
知りたいときに確認したいのは、使う牛乳のパッケージにある栄養成分表示です。公式レシピの牛乳の量は、ネスプレッソのアイスラテで50〜60ml、デロンギで120mL、ネスプレッソの大きいグラス版で180mlと幅があるので、どのレシピで作るかによって牛乳由来の分も変わります。ガムシロップを足す場合は、その商品の表示もあわせて確認しましょう。
やりがちなのは、ネットで見かけた「アイスラテ1杯○kcal」という数字を、自分の作り方にそのまま当てはめること。ミルクの量や種類が違えば別物になります。自分の一杯の材料と分量を把握して、表示から考えるのがいちばん確実です。
まとめ|冷たいものに濃いコーヒーを当てて、静かに合わせる
家のアイスラテが薄くなるときは、豆や器具を替える前に、注ぐ順番とベースの濃さを見直すのが近道です。まずは手持ちのマシンのメーカー公式レシピ、マシンがなければ全日本コーヒー協会の濃く淹れるアイスコーヒーをベースに、冷蔵庫から出したての牛乳とたっぷりの氷をグラスに入れ、コーヒーを最後に氷へ当てて注ぐ一杯から試してみてください。牛乳の量を1か所ずつ変えていけば、自分にちょうどいい比率が見つかります。
※分量・手順は各メーカー・協会の公式情報にもとづきます。レシピは更新されることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

コメント