MENU

シェカラートとは?30秒振って泡立てるアイスエスプレッソ、メーカー公式2社の作り方

シェカラートとは?30秒振って泡立てるアイスエスプレッソ、メーカー公式2社の作り方のアイキャッチ画像

暑い季節になると、カフェのメニューで「シェカラート」という名前を見かけることがあります。アイスコーヒーと何が違うのか、家にシェイカーがなくても作れるのか、と気になっている人も多いのではないでしょうか。名前は知っていても、エスプレッソを使うのか、砂糖はいつ入れるのか、どれくらい振ればいいのかと考え始めると、情報がばらばらに見えてくる飲み物です。

結論から言うと、シェカラートはエスプレッソを氷と砂糖と一緒にシェイカーで振り、冷やしながら泡立てた飲み物です。ネスプレッソの公式レシピは「アイス シェカラート」、デロンギの公式FAQは「カフェ・シェケラート」という名前で作り方を案内していて、表記は違っても「抽出したてのエスプレッソ+氷+砂糖をシェイクしてグラスへ」という流れは共通しています。

この記事では、メーカー公式2社のレシピを並べて分量と手順の違いを整理し、砂糖を溶かす順番や振り方に意味がある理由、エスプレッソマシンがない場合の考え方、カフェイン量について公的資料でわかる範囲までを、理屈から順番に解説します。

📌 この記事でわかること

・シェカラートとアイスコーヒー・アイスエスプレッソの冷やし方の違い
・ネスプレッソとデロンギの公式レシピの分量と手順の比較
・砂糖を先に溶かす、氷を壁にぶつけるように振る、の理由
・マシンがない家での考え方と、カフェイン量を公的資料で読むときの注意

目次

シェカラートとは?エスプレッソを氷と一緒に振って冷やす一杯

シェカラートとは?エスプレッソを氷と一緒に振って冷やす一杯の解説画像

「冷やす」と「泡立てる」をシェイク1回で同時に行う飲み物

シェカラートのいちばんの特徴は、温かいエスプレッソを氷と一緒にシェイカーで振ることです。グラスの中で冷やすのではなく、容器ごと振って冷やし、同時に泡を立てる。ここがほかのアイスコーヒーとの分かれ目になります。

根拠になるのはメーカーの公式レシピです。ネスプレッソの「アイス シェカラート」レシピには「シェーカーに抽出したエスプレッソと氷、砂糖を加え、30秒間またはクリーミーな泡ができるまでシェークする。」とあります。デロンギの全自動コーヒーマシン向けFAQでも「氷を加えてふたをし、シェイカーの壁に氷をぶつけるように強く振る。」と案内されています。2社とも「振る」工程を中心に置いているわけです。

やりがちなのは、グラスに氷を入れてエスプレッソを上から注ぎ、それをシェカラートと呼んでしまうことです。これでも冷たいエスプレッソにはなりますが、振る工程がないので、ネスプレッソのレシピが目安にしている「クリーミーな泡」の層はできません。見た目も口当たりも別の飲み物と考えたほうが、仕上がりのイメージがずれずに済みます。

作る前に確かめておきたいのは、ふたが閉まって振れる容器があるかどうかと、エスプレッソを抽出したらすぐシェイクに移れる段取りになっているかどうかです。エスプレッソそのものの抽出の仕組みは、下の記事で詳しく整理しています。

あわせて読みたい
エスプレッソとカプチーノの違いは「泡」にあり!9気圧の抽出とラテ・マキアートまで
カフェのメニューに「エスプレッソ」と「カプチーノ」が並んでいると、どちらも小ぶりなカップで出てくることが多く、何がどう違うのか迷いますよね。濃いのはどっちなのか…

「シェカラート」と「シェケラート」、表記が揺れるのはなぜ?

検索すると「シェカラート」「シェケラート」「シェイカラート」など複数の表記が出てきますが、指している飲み物の中身は同じと考えてよさそうです。理由は、メーカー公式でも表記が分かれているからです。

ネスプレッソの公式レシピ名は「アイス シェカラート」、デロンギの公式FAQでは「カフェ・シェケラート」と書かれています。どちらも材料はエスプレッソ・氷・砂糖で、シェイカーで振ってグラスに注ぐという流れも同じです。つまり、カタカナに直すときの書き方がメーカーや店ごとに違うだけで、作り方の骨格は共通しています。名前の由来については、外国語のメニュー名をカタカナにしたものと説明されることがありますが、今回確認したネスプレッソとデロンギのページには由来の説明は書かれていませんでした。

家で作り方を調べるときにありがちな失敗は、1つの表記だけで検索して「公式レシピが見つからない」と判断してしまうことです。実際、デロンギの案内は「シェケラート」で検索しないと見つけにくい構成になっています。

調べるときは表記を2〜3通り試し、見つけたページが「エスプレッソを氷と振る」作り方になっているかで同じ飲み物かどうかを判断すると迷いません。メニュー名よりも、手順の中身を見るのが確実です。

アイスコーヒー・アイスエスプレッソとは「冷やし方」が違う

シェカラートとアイスコーヒーの違いは、豆や抽出よりも「どこで、どうやって冷やすか」にあります。シェカラートはシェイカーの中で振って冷やし、アイスコーヒーはグラスやサーバーの中で氷に当てて冷やすのが基本です。

ネスプレッソのアイスコーヒーの案内では「レシピグラスに90gの氷を入れる。」としたうえで、「コーヒーは必ず氷の上に直接触れるように抽出してください。」と書かれています。デロンギのFAQでも、アイスコーヒーは氷をグラスに入れて約80mlを抽出する手順で、シェケラートとは別メニューとして並んでいます。ドリップの場合は、全日本コーヒー協会のアイスコーヒーのレシピに「サーバーを氷水に浸して冷やす」方法や、氷の入ったサーバーへ直接注いで急冷する方法が紹介されています。

ここで起きやすい失敗は、「冷たいエスプレッソ=シェカラート」と考えて、甘さも泡もない状態でがっかりすることです。シェカラートは砂糖をあらかじめ溶かし込み、振って泡を作るところまでがセットの飲み物です。

自分が飲みたいのが「すっきり冷たい一杯」ならアイスコーヒー、「泡のある甘い冷たいエスプレッソ」ならシェカラート、と目的で選ぶと作り方も決めやすくなります。

📖 用語チェック

シェカラート/シェケラート=抽出したエスプレッソを氷・砂糖と一緒にシェイカーで振り、冷やしながら泡立ててグラスに注ぐ飲み物。ネスプレッソは「アイス シェカラート」、デロンギは「カフェ・シェケラート」と表記しています。
アイスコーヒー=氷を入れたグラスやサーバーに抽出して冷やす、または抽出後に氷水で冷やすコーヒー。振る工程はありません。

メーカー公式2社のレシピ、分量と手順は何が違う?

ネスプレッソは「カプセル2個・氷5個・30秒」が目安

ネスプレッソのレシピは、エスプレッソの量・氷の数・振る時間がすべて数字で示されているのが特徴です。初めて作る人が「どれくらい」で迷いにくい書き方になっています。

公式のアイス シェカラートのレシピには「カップにネスプレッソのカプセル「リストレット」または「インドリヤ」2個をエスプレッソ(40ml×2)で抽出する。」とあります。合計80mlのエスプレッソに、氷は5個、砂糖は適量。道具はカップ・シェーカー・グラスで、所要時間5分・難易度は簡単と表示されています。振る時間は30秒間、またはクリーミーな泡ができるまでです。

注意したいのは、氷が「5個」と個数で書かれている点です。家庭の製氷皿や市販の氷は1個の大きさがまちまちなので、同じ5個でも量が変わります。大きな氷なら溶ける量が少なく、小さな氷なら早く溶けやすい。結果として、同じレシピどおりに作ったつもりでも、薄まり方に差が出ることがあります。

もう1つ、このレシピはネスプレッソ専用カプセルを使う前提の1社のレシピです。カプセルの種類や抽出量はこのマシンの設計に合わせたもので、ほかのエスプレッソマシンにそのまま当てはまる「標準の分量」ではありません。ネスプレッソを使っている人はこの数字に合わせ、ほかのマシンの人は自分のマシンの公式案内を基準にすると、味がぶれにくくなります。

デロンギは「砂糖約20g・エスプレッソ約60ml」と順番がはっきり

デロンギのFAQは、分量に加えて「何を、どの順番で入れるか」がはっきり書かれているのが特徴です。とくに砂糖の扱いがネスプレッソより具体的です。

デロンギ公式FAQでは、豆は深煎りを使い、「「エスプレッソ」設定の2杯抽出で約60mlを抽出する。」とあります。材料欄には「グラニュー糖(約20g)」。手順は、シェイカーにグラニュー糖を入れる、抽出したエスプレッソを加えて砂糖が溶けるまで混ぜる、氷を加えてふたをして強く振る、シェイカーが冷えたらグラスに注ぐ、の4段階です。

一方で、氷の量と振る時間は、このページには数値で書かれていません。ネスプレッソの「氷5個・30秒」をデロンギの手順に足して「これが基本の分量」とまとめたくなりますが、別々のマシン・別々のレシピの数字を組み合わせると、どちらの公式とも違う飲み物になってしまいます。

デロンギ自身も、材料の分量は目安で好みに合わせて調整するよう案内しています。デロンギの全自動マシンを使っている人は「約60ml・約20g」を出発点にし、氷は「シェイカーが冷える」ところまで振るのを目安にする、という読み方が公式の範囲に沿った使い方です。

2社に共通する「熱いうちに・氷と・振って・注ぐ」

数字は違っても、2社のレシピには共通の骨組みがあります。抽出したてのエスプレッソを使う、氷と一緒にシェイカーに入れる、ふたをして振る、グラスに注ぐ。この4つがそろえば、メーカーが違っても同じシェカラートの作り方と言えます。

違いが出るのは細部です。砂糖について、ネスプレッソは「エスプレッソと氷、砂糖を加え」とまとめて入れる書き方で、デロンギは先に砂糖とエスプレッソを混ぜて溶かしてから氷を入れる順番です。注ぎ方は、ネスプレッソが「グラスに氷ごと注ぐ。」と明記しているのに対し、デロンギは「シェイカーが冷えたらグラスに注ぐ」として、氷をグラスに入れるかどうかには触れていません。振る時間の目安も、ネスプレッソは秒数と泡の状態、デロンギはシェイカーの冷え具合と、見ているポイントが違います。

失敗しやすいのは、2社の数字を足し合わせて「エスプレッソは60〜80mlで砂糖は20g」のような独自の基準を作ってしまうことです。甘さや濃さのバランスは抽出量と砂糖量の組み合わせで決まるので、片方だけを入れ替えると意図しない味になります。

家で作るときは、自分の手持ちのマシンに近いほうのレシピを丸ごと採用し、慣れてから砂糖や氷を少しずつ調整するのが近道です。

📊 メーカー公式2社のシェカラートを比較(コーヒーの教科書調べ)
項目 ネスプレッソ公式 デロンギ公式(全自動マシン)
レシピ名 アイス シェカラート カフェ・シェケラート
エスプレッソ リストレットまたはインドリヤ2個(40ml×2) 深煎りの豆・2杯抽出で約60ml
砂糖 適量(量の指定なし) グラニュー糖約20g・先に溶かす
氷 5個 数値の記載なし
振り方の目安 30秒間またはクリーミーな泡ができるまで 壁に氷をぶつけるように強く・シェイカーが冷えるまで
注ぎ方 グラスに氷ごと注ぐ シェイカーが冷えたらグラスに注ぐ

家で作る手順は?砂糖→エスプレッソ→氷の順番に意味がある

家で作る手順は?砂糖→エスプレッソ→氷の順番に意味があるの解説画像

砂糖はエスプレッソが熱いうちに溶かしておく

甘いシェカラートにしたいなら、砂糖は氷を入れる前、エスプレッソが熱いうちに溶かしきっておくのが確実です。デロンギの手順がこの順番になっているのには理由があります。

デロンギ公式FAQでは、シェイカーにグラニュー糖を入れたあと「抽出したエスプレッソを加え、砂糖が溶けるまで混ぜる。」と書かれ、そのあとで氷を加える流れです。砂糖は温かい液体のほうが溶かしやすく、氷が入って液体が冷えてしまうと溶け残りやすくなる傾向があります。冷たいアイスコーヒーにグラニュー糖を入れて、グラスの底にざらっと残った経験がある人も多いはずです。先に溶かしておけば、振ったあとに甘さが均一に行き渡ります。

ネスプレッソのレシピは、エスプレッソ・氷・砂糖をまとめてシェイカーに入れる書き方です。こちらで作る場合も、抽出したてのエスプレッソと砂糖が先に触れるように入れ、ひと混ぜしてから氷を入れると、デロンギと同じ理屈で溶け残りを防ぎやすくなります。

コツは、砂糖を入れたらスプーンでシェイカーの底をこするように混ぜ、ざらつきがなくなったのを確かめてから氷に進むことです。甘さ控えめにしたい場合も、量を減らすだけで順番は変えないほうが仕上がりが安定します。

氷は「シェイカーの壁にぶつける」ように強く振る

シェカラートは、軽く揺らすのではなく、氷が容器の中で大きく動くように強く振るのがポイントです。ここが泡立ちと冷え方を左右します。

デロンギは「氷を加えてふたをし、シェイカーの壁に氷をぶつけるように強く振る。」と案内しています。氷が壁に当たるほど大きく動けば、そのぶん液体と氷が何度も触れ合って冷え、同時に液体に空気が巻き込まれます。ネスプレッソが目安にしている「クリーミーな泡」も、この空気の巻き込みから生まれるものと考えられます。

やりがちなのは、こぼれるのが心配で手首だけで小さく揺らしてしまうことです。これだと氷がシェイカーの中でほとんど動かず、冷えるまでに時間がかかるうえ、泡も立ちにくくなります。また、熱いエスプレッソと氷を入れた直後はシェイカーの中の空気が温まっているので、ふたが浅く閉まっていると振った拍子に外れることもあります。

振る前に、ふたが最後まではまっているかを確かめ、上下を両手でしっかり押さえてから、肘から先を使って大きく振りましょう。氷が壁に当たる音がはっきり聞こえるくらいが目安です。

振る時間は「30秒」と「泡・冷え」の両方で判断する

振る時間は、秒数だけで決めずに、泡の状態とシェイカーの冷え具合をあわせて見るのがおすすめです。公式2社も、時間だけを唯一の基準にはしていません。

ネスプレッソのレシピは「30秒間またはクリーミーな泡ができるまで」と、秒数と仕上がりの状態の両方を示しています。デロンギは時間を書かず、「シェイカーが冷えたら」グラスに注ぐという、手で感じられる変化を合図にしています。氷の大きさや数、エスプレッソの量、シェイカーの素材によって冷え方は変わるので、時間だけで区切ると「まだぬるい」「もう泡が落ち着いてしまった」といったずれが出やすくなります。

失敗例として多いのは、30秒を待たずに途中でふたを開けて確認してしまうことです。開けた時点で振る勢いが途切れ、泡が育ちきらないまま注ぐことになります。逆に、氷が小さい場合に長く振りすぎると、氷が溶けて薄く感じることもあります。

目安としては、ネスプレッソのレシピを使う人は30秒を基準にし、シェイカーの外側がしっかり冷たくなったかを手のひらで確かめてから注ぐと、2社の案内の両方を満たせます。

注ぐときは「氷ごと」かどうかで、飲み進めたときの味が変わる

シェイクが終わったら、氷ごとグラスに注ぐか、液体だけを注ぐかで、飲み進めたときの味の変化が違ってきます。どちらが正解というより、飲み方に合わせて選ぶ部分です。

ネスプレッソの公式レシピは「グラスに氷ごと注ぐ。」と明記しています。氷がグラスに残るので、最後まで冷たさが続く一方、時間がたつと氷が溶けて少しずつ薄まります。デロンギは「シェイカーが冷えたらグラスに注ぐ」とだけ書いていて、氷を入れるかどうかの指定は今回確認したページにはありません。

やりがちなのは、氷ごと注いだうえで、さらにグラスにも氷を足してしまうことです。氷の量が増えるぶん冷たさは保てますが、溶ける量も増えて、エスプレッソの濃さと砂糖の甘さが早くぼやけます。

すぐ飲みきるなら泡を崩さないように氷ごとそっと注ぎ、ゆっくり飲むなら氷の量を控えめにする、という使い分けが考えやすい方法です。泡を上に残したいときは、シェイカーを傾けて液体を先に、最後に泡を落とすように注ぐとグラスの上に層ができやすくなります。

⏱️ 手順の流れ(デロンギ公式FAQの順番をもとに整理)
Step1:シェイカーに砂糖(デロンギはグラニュー糖約20g)を入れる
↓
Step2:抽出したてのエスプレッソを加え、砂糖が溶けるまで混ぜる
↓
Step3:氷を加えてふたをし、シェイカーの壁に氷をぶつけるように強く振る(ネスプレッソは30秒間またはクリーミーな泡ができるまで)
↓
Step4:シェイカーが冷えたらグラスに注ぐ(ネスプレッソは氷ごと注ぐ)
⚠️ やりがちな失敗:氷のあとに砂糖を入れて溶け残る

原因は、氷で冷えた液体に砂糖を入れていることです。冷たい液体では砂糖が溶け残りやすく、振っても底にざらつきが残ったり、甘さにむらが出たりします。対策は、デロンギの手順どおり「砂糖→熱いエスプレッソ→混ぜて溶かす→氷」の順番を守ること。ネスプレッソのレシピで作るときも、砂糖とエスプレッソを先に合わせてから氷を入れると防ぎやすくなります。

エスプレッソマシンがない家ではどう作る?代わりの抽出の考え方

公式レシピの前提は「エスプレッソマシンで抽出した少量の濃い液体」

今回確認したメーカー公式のシェカラートは、どちらもエスプレッソマシンでの抽出を前提にしています。マシンがない場合に公式の手順をそのまま再現することはできない、という点はまず押さえておきたいところです。

ネスプレッソはカプセルで40ml×2、デロンギは全自動マシンの「エスプレッソ」設定で約60mlと、どちらも少量で濃い液体を作ってから氷と振る設計です。量が少なく濃いからこそ、氷が溶けて水分が加わっても味がぼやけにくく、砂糖を溶かすだけの温度も保てます。逆に言えば、代わりの抽出方法を考えるときは「少量で濃く、熱いうちに砂糖を溶かせるか」が判断の軸になります。

やりがちなのは、マシンがないからといって手元にあるコーヒーで何となく代用し、「シェカラートは薄くて甘いだけ」と感じてしまうことです。これはレシピの問題というより、出発点の液体の濃さが公式の前提と違うことが原因と考えられます。

なお、モカポットや濃いめのドリップでシェカラートを作る公式レシピは、今回確認したネスプレッソ・デロンギ・全日本コーヒー協会・ビアレッティのページにはありませんでした。ここから先は、各メーカー・協会の基本の淹れ方を、シェカラートの考え方に当てはめる場合の注意点として読んでください。

モカポットはビアレッティ公式の基本を守り、「エスプレッソとは別物」と知っておく

モカポットは直火で濃いコーヒーを淹れられる器具なので、シェカラートの代わりの抽出候補になります。ただし、使い方はメーカーの基本に合わせることと、マシンのエスプレッソと同じものではないと理解しておくことが前提です。

ビアレッティ公式のモカの仕組みの解説(イタリア語)では、下のボイラーには安全弁の位置まで水を入れること、モカ用のコーヒーはエスプレッソマシン用より粗めに挽くこと、弱火で時間をかけて淹れるのがよいことが説明されています。挽き目の違いがわざわざ書かれていることからも、モカで淹れるコーヒーはマシンのエスプレッソとは条件が異なるものとして扱われていることがわかります。

やりがちな失敗は、「エスプレッソの代わりだから」とエスプレッソマシン用の細かい粉を詰めたり、早く仕上げたくて強火にかけたりすることです。どちらもビアレッティ公式の案内から外れた使い方になります。

モカポットで淹れたコーヒーを使う場合は、公式どおりに抽出したうえで、熱いうちに砂糖を溶かし、そこから氷と振る流れに乗せると、シェカラートの手順の考え方と矛盾しません。仕上がりはマシンのものとは違う「モカで作った冷たい一杯」として楽しむのがよさそうです。

ドリップで代用するなら「濃いめに抽出」が前提

ドリッパーしかない家なら、氷で冷やす前提の濃いめのドリップを使う方法があります。考え方の手本になるのは、全日本コーヒー協会のアイスコーヒーのレシピです。

全日本コーヒー協会のペーパードリップのアイスコーヒーでは、1杯140mL分として、細挽き〜中細挽きの粉12〜15g、湯140mLを使います。「湯温が95℃前後になるまで少し置く」としたうえで、20mLの湯で30〜40秒蒸らし、そのあと3回に分けて注ぐ手順です。濃くする理由として「氷が溶けるため、粉は多め、湯は少なめにして濃く抽出します。」と説明されています。氷で冷やす飲み物は、溶けた氷のぶん薄まることを最初から見込んでおく、という理屈です。

これはあくまでアイスコーヒーのレシピで、シェカラート用として示されたものではありません。それでも「氷と振る=氷が溶けて薄まる」という点はシェカラートも同じなので、ふだんのホット用の濃さでは足りないことは同じように当てはまります。

代用するときは、協会の分量で濃く淹れ、熱いうちに砂糖を溶かしてから氷と振る、という順番にすると考え方がそろいます。アイスコーヒー向けの濃いめドリップのコツは、下の記事でも詳しく整理しています。

あわせて読みたい
コーヒードリップでアイスを淹れるなら水は半分!氷の量と豆選び3つのコツ
暑い日に家でアイスコーヒーを作ろうとして、いつもどおりにドリップして氷を入れたら、水っぽくて味がぼやけた。そんな経験はありませんか。ホットと同じ感覚で淹れると薄…
⚠️ やりがちな失敗:ホット用の濃さのまま振って水っぽくなる

原因は、氷が溶ける分を見込まずに抽出していることです。シェイクでは氷と液体が激しく触れ合うので、そのぶん氷も溶けて水分が加わります。全日本コーヒー協会は、アイスコーヒーを淹れるときは「粉は多め、湯は少なめ」で濃く抽出するよう案内しています。マシンがなくドリップで代用する場合は、ふだんのホットより濃い液体を用意してから振りましょう。

シェイカーは何で選ぶ?代用品と手入れの確認点

容量は「エスプレッソ+氷」が入っても、氷が動ける余裕があるか

シェイカーを選ぶときにまず見るべきなのは容量です。ただし「材料がぎりぎり入るか」ではなく、「材料を入れたうえで氷が中で動ける余裕があるか」で考えます。

公式レシピの量を見ると、ネスプレッソはエスプレッソ80mlに氷5個、デロンギはエスプレッソ約60mlに氷です。そしてデロンギは、氷をシェイカーの壁にぶつけるように強く振るよう案内しています。氷が壁に当たるためには、液体と氷の上にある程度の空間が必要です。中身でいっぱいの容器では氷がほとんど動かず、冷えも泡立ちも中途半端になりやすいと考えられます。

やりがちなのは、1杯分のつもりで小さめの容器を選び、氷を入れたら余白がほとんど残らなかった、というケースです。反対に、2杯分をまとめて作ろうとして材料を倍にすると、同じ容器では余裕が足りなくなることもあります。

選ぶときは、製品の容量表示と、自分が作りたい杯数の材料の量を見比べ、氷を入れた状態でも上に空間が残るかを想像してみてください。迷ったら、作る杯数より少し大きめの容量を選ぶほうが、振りやすさの面では失敗が少なくなります。

水筒やふた付きボトルで代用するときは、熱い液体と「振る」使い方を確認

専用のシェイカーがなくても、ふたが閉まる容器で代用しようと考える人は多いと思います。その場合は、熱いエスプレッソを入れること、そして振ることが、その容器の使い方として想定されているかを取扱説明書で確かめるのが先です。

公式2社の手順では、どちらも抽出したての熱いエスプレッソをシェイカーに入れています。デロンギは、そこで砂糖を溶かしてから氷を加えてふたをする流れです。ふたをする時点ではまだ温かい液体が入っていることになるので、容器によっては、熱い飲み物を入れて密閉したり振ったりする使い方を取扱説明書で注意しているものもあります。こうした扱いは製品ごとに違うため、ここで一律に「使える」「使えない」とは言えません。

やりがちなのは、手元にある冷水用のボトルに熱いエスプレッソを注ぎ、そのまま勢いよく振ってしまうことです。ふたが外れたり、中身が漏れたりすれば、やけどにつながるおそれもあります。

代用品を使う前に、取扱説明書の「熱い飲み物」「振る」「炭酸」などの項目を確認しましょう。不安があるときは、エスプレッソを別のカップで砂糖と混ぜてから容器に移し、氷を入れて温度を下げてからふたを閉めると、熱い液体を密閉する時間を短くできます。

洗いやすさと手入れは、取扱説明書の案内を基準にする

シェカラートは砂糖を使うので、作ったあとの手入れまで考えて容器を選んでおくと長く使いやすくなります。手入れの方法は、素材や構造ごとにメーカーの取扱説明書が基準です。

砂糖を溶かしたコーヒーは、乾くとふたのすき間やネジ部分にべたつきが残りやすく、コーヒーの色やにおいも移りやすくなります。分解できるパーツが多い容器は、細かいところまで洗える一方、パーツをなくしやすく、組み立てを誤るとふたの密閉が甘くなります。食洗機を使えるかどうか、つけ置き洗いをしてよいかどうかも、素材や構造によってメーカーの案内が分かれます。

やりがちなのは、使ったあとにすすぐだけで乾かし、次に使うときにふたが固く回らなくなっていたり、前回の甘いにおいが残っていたりすることです。とくにパッキンのすき間は見落としやすい場所です。

使い終わったら早めに分解して洗い、パッキンやふたの裏まで乾かしてから組み立てるのが基本です。購入前に、取扱説明書や製品ページで分解できる範囲と洗い方の案内を確認しておくと、手入れで困りにくくなります。

📋 シェイカー・代用容器のチェックカード
容量 エスプレッソと氷を入れても、上に氷が動ける空間が残るか
ふた・密閉 最後までしっかり閉まり、強く振っても外れにくい構造か
熱い液体への対応 熱い飲み物を入れて密閉・振る使い方が取扱説明書で認められているか
手入れ 分解できる範囲、食洗機やつけ置きの可否(取扱説明書の案内どおりに)

甘さ・ミルク・アレンジはどう考える?

砂糖の量は「適量」から「約20g」まで、公式でも幅がある

シェカラートの甘さに決まった正解はなく、メーカー公式でも量の示し方に幅があります。まずは公式の数字を出発点にして、好みに寄せていくのが現実的です。

ネスプレッソのレシピでは砂糖は「適量」で、量は指定されていません。デロンギは「グラニュー糖(約20g)」と具体的な量を示しつつ、分量は目安なので好みで調整するよう案内しています。エスプレッソの量も2社で違うので、同じ砂糖の量でも感じる甘さは変わります。濃いエスプレッソに砂糖を溶かしてから氷で冷やすという作り方の都合上、冷たくなると甘さの感じ方も変わってきます。

カロリーが気になる人も多いと思いますが、今回確認した公式2社のページにはシェカラートのカロリーの記載はありませんでした。材料のうち量を自分で調整しやすいのは砂糖なので、気になる場合は砂糖の量を控えめにし、使う砂糖の栄養成分表示を確認するのが手がかりになります。

やりがちな失敗は、甘さが足りないと感じて、振ったあとのグラスに砂糖を追加することです。冷えた液体では溶け残りやすいので、次に作るときに最初の段階で増やすほうが確実です。初回は少なめに作り、1回ごとに少しずつ調整していきましょう。

実は、シェカラートの泡はミルクではなく「振ること」で生まれる

シェカラートの写真を見ると、上にふんわりした泡の層がのっていて、ミルクを泡立てたものだと思われがちです。でも、意外と知られていないのですが、公式レシピの手順を読むと、この泡はミルクではなくシェイクで生まれるものです。

ネスプレッソのアイス シェカラートのページには「冷たくて、クリーミーなミルクの泡をのせたアイスコーヒーをお楽しみください。」という紹介文があります。ところが、同じページの手順として示されているのは、エスプレッソ・氷・砂糖をシェーカーに入れ、「30秒間またはクリーミーな泡ができるまで」振る流れです。デロンギの手順でも、材料はエスプレッソとグラニュー糖と氷で、ミルクは使っていません。

この違いを知らないと、「ミルクがないからシェカラートは作れない」と思い込んだり、逆にミルクを足して泡を立てようとして、仕上がりがまったく別の飲み物になったりします。

エスプレッソと氷と砂糖だけでも、強く振れば泡の層はできる。ここを知っておくと、ミルクを常備していない日でも気軽に作れますし、泡が立たないときに見直すべきなのは材料ではなく振り方だと判断できます。

ミルクを合わせるなら「アイスラテ」との境目を意識する

シェカラートにミルクを加えるアレンジも考えられますが、その場合はアイスラテ(アイス・カフェラテ)に近い飲み物になると意識しておくと、作り方で迷いにくくなります。

デロンギのFAQでは、同じページの中にカフェ・シェケラートと並んで、アイスコーヒー、アイス・カフェラテ、アフォガートが別々のメニューとして紹介されています。メーカーとしても、エスプレッソを氷と振るシェケラートと、ミルクと合わせるカフェラテは、手順の違う別の飲み物として扱っているということです。今回確認した公式2社のページに、ミルク入りシェカラートのレシピは見当たりませんでした。

やりがちなのは、シェイカーにエスプレッソ・砂糖・氷に加えてミルクも全部入れて振り、量が増えて氷が動かず、泡も冷えも中途半端になることです。容器の余裕が足りなくなるのは、前の章で見た容量の話と同じ理屈です。

ミルクを合わせたいときは、まず公式どおりにシェカラートを作ってグラスに注ぎ、味を見ながら少しずつ加えるほうが、エスプレッソの濃さと泡を残しやすくなります。しっかりミルクを楽しみたい日は、最初からアイスラテのレシピに切り替えるのも1つの選び方です。

📌 押さえておきたいポイント

シェカラートの泡は、エスプレッソ・氷・砂糖を強く振ることで生まれます。ミルクは必須の材料ではありません。甘さは公式でも「適量」から「約20g」まで幅があるので、最初は公式の量か少なめから始め、次に作るときに最初の段階で調整するのが失敗しにくい方法です。

カフェイン量はどれくらい?公的資料でわかる範囲とシーン別の作り分け

食品安全委員会の「コーヒー 60mg/100ml」は浸出方法つきの数字

コーヒーのカフェイン量を公的資料で確認するなら、食品安全委員会のファクトシート「食品中のカフェイン」が出発点になります。ただし、表の数字には浸出方法の条件がついていて、その条件ごと読む必要があります。

食品安全委員会のファクトシートでは、コーヒーのカフェイン濃度は60mg/100mlで、浸出方法はコーヒー粉末10gに熱湯150mlとされています。インスタントコーヒーは57mg/100mlで、インスタントコーヒー2gに熱湯140mlという条件です。このファクトシートは平成23年3月31日作成、最終更新日は平成30年2月23日と記載されています。

読み違えやすいのは、この60mg/100mlを「コーヒーならどれでも同じ濃さ」と受け取ってしまうことです。表の値は、粉と熱湯を決まった比率で浸出した液体についての数字で、エスプレッソのように少ない湯で濃く抽出したものの値ではありません。

カフェインの数字を見るときは、「何を」「どの量で」「どう抽出したか」の条件を必ずセットで確認しましょう。コーヒー1杯あたりの量に換算するときの注意点は、下の記事で詳しく整理しています。

あわせて読みたい
コーヒー1杯のカフェイン量は約90mg?100mlあたり60mgの条件とマグカップ換算の落とし穴 朝に1杯、昼に1杯、午後にもう1杯。そう数えていくと、「コーヒー1杯にカフェインはどれくらい入っているのか」が気になってきます。ところがネットで見かける「1杯◯mg...

シェカラート1杯のカフェイン量を数字で出せない理由

シェカラート1杯のカフェイン量を、公的資料の数字から計算して示すことはできません。理由は、材料のエスプレッソについての公的な値が、今回確認した資料に載っていないからです。

食品安全委員会のファクトシートにあるのは、ドリップに相当する浸出液とインスタントコーヒーの値で、エスプレッソ抽出の値ではありません。しかもシェカラートは、ネスプレッソならカプセル2個で40ml×2、デロンギなら2杯抽出で約60mlと、使う豆・カプセル・マシンによってエスプレッソの量も抽出条件も違います。浸出液の60mg/100mlを当てはめて掛け算すると、条件の違う数字を組み合わせた「それらしい値」になってしまいます。氷が溶けて量が増えても、カフェインの総量が増えるわけではないので、液量から逆算するのも適切ではありません。

カプセルやコーヒー豆のパッケージ、メーカーの公式情報にカフェインについての表示がある場合は、それを確認するのがいちばん確かな手がかりです。表示がなければ、数字は「わからない」として扱うのが誠実な読み方です。

カフェインの影響の受け方には個人差があります。体調や妊娠中のカフェインについては、医師に相談してください。

手持ちの道具で選ぶ、読者タイプ別の作り方

シェカラートは、持っている道具によって最適な作り方が変わります。自分がどのタイプに当てはまるかで、参考にするレシピを決めると迷いが減ります。

ネスプレッソのマシンがある人は、公式の「アイス シェカラート」を丸ごと採用するのが近道です。カプセル2個・40ml×2・氷5個・30秒と数字がそろっているので、初回から再現しやすく、慣れたら砂糖の量だけ調整すれば十分です。デロンギなどの全自動マシンを使っている人は、デロンギのFAQにある深煎りの豆・約60ml・グラニュー糖約20gを出発点にし、氷は「シェイカーが冷えるまで」を合図に振ります。

モカポットを持っている人は、ビアレッティ公式の基本(安全弁まで水・エスプレッソ用より粗め・弱火)を守って抽出し、マシンのエスプレッソとは別物の冷たい一杯として楽しむのが合っています。ドリッパーしかない人は、全日本コーヒー協会のアイスコーヒーの考え方にならって濃く淹れてから振ると、水っぽさを避けやすくなります。

どのタイプでも共通する失敗は、手順のどこか1つだけを別のレシピから借りてくることです。マシンに合ったレシピを1本選び、まずはその通りに作ってから調整する、という順番を守りましょう。

Q 砂糖を入れずに作ってもシェカラートになる?
A 今回確認したネスプレッソとデロンギの公式レシピは、どちらも砂糖を材料に含めています(ネスプレッソは適量、デロンギはグラニュー糖約20g)。砂糖なしの作り方は公式には示されていないので、入れない場合は公式とは違うアレンジとして、エスプレッソと氷を振る手順だけを参考にしてください。
Q 作り置きして冷蔵庫で冷やしておいてもいい?
A 公式2社のレシピは、抽出したてのエスプレッソをその場で振ってグラスに注ぐ流れです。シェカラートの泡は振った直後にできるものなので、作り置きの方法は今回確認した公式ページには案内がありません。泡を楽しみたいなら、飲む直前に振るのが公式の手順に沿った作り方です。

まとめ:シェカラートは「熱いうちに溶かして、氷と強く振る」

☕ この記事の結論

シェカラートはエスプレッソを氷と砂糖と一緒に振り、冷やしながら泡立てる飲み物です。まずは砂糖を熱いうちに溶かし、氷と強く振ってみましょう。

✅ 要点チェック
  • ✔ 表記:シェカラートもシェケラートも同じ作り方
  • ✔ 分量:自分のマシンに近い公式レシピを丸ごと使う
  • ✔ 順番:砂糖→熱いエスプレッソ→溶かす→氷
  • ✔ 振り方:氷を壁にぶつけ、泡と冷えで終わりを判断
  • ✔ 代用:マシンがなければ濃く抽出してから振る

シェカラートは、特別な材料よりも「順番」と「振り方」で仕上がりが決まる飲み物です。ネスプレッソのマシンがあるなら公式の「アイス シェカラート」を、全自動マシンならデロンギの「カフェ・シェケラート」を、そのまま一度作ってみてください。マシンがなくても、モカポットはビアレッティ公式の基本どおりに、ドリップなら全日本コーヒー協会のアイスコーヒーにならって濃いめに淹れれば、考え方は同じように使えます。最初の一杯は、砂糖をエスプレッソが熱いうちに溶かしきることだけ意識して、あとは氷が壁に当たる音が聞こえるまでしっかり振ってみましょう。

※レシピの分量や表記は各メーカーの公式ページの記載に基づいています。最新情報は公式サイトでご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コーヒーの教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

コメント

コメントする

目次