家でソイラテを作ってみたら、豆乳がもろもろと固まってしまった。カフェで飲む一杯より薄くて、豆乳の風味ばかりが前に出た。ソイラテを自分で作ろうとした人の多くが、この2つのどちらかでつまずいています。どちらも原因ははっきりしていて、豆乳の性質とコーヒーの性質を知っておけば防ぎやすくなります。
先に結論をお伝えすると、ソイラテを家で作るコツは「分離しにくい豆乳を選ぶか、無調整豆乳なら温めすぎず少しずつ加える」「コーヒーは少し濃いめに淹れる」の2点です。エスプレッソマシンがなくても、日本豆乳協会は少し濃く抽出したコーヒーで代用できると案内しています。
この記事では、日本豆乳協会・全日本コーヒー協会・文部科学省「日本食品標準成分表」・食品安全委員会・器具メーカーの取扱説明書といった一次情報をもとに、ソイラテの定義からホットとアイスの作り方、分離の理由、豆乳の選び方、カフェインの数値までを順に整理します。
・ソイラテとカフェラテ・カフェ・オ・レの違いと、分量を考えるときの目安
・豆乳がコーヒーで分離する理由と、無調整豆乳・調製豆乳の使い分け
・エスプレッソがなくても作れるベースのコーヒーの用意のしかた(濃いめのドリップ・モカポット)
・ホットとアイスそれぞれの手順と、カフェイン量など暮らしの疑問
ソイラテとは?カフェラテ・カフェ・オ・レと何が違うのか

「コーヒーやエスプレッソ+豆乳」がソイラテの基本形
ソイラテは、ひとことで言えば「ラテのミルクを豆乳に置き換えた飲み物」です。日本豆乳協会は、ソイラテをコーヒーやエスプレッソに豆乳を合わせた飲み物として紹介しています。ここで押さえておきたいのは、ベースが必ずしもエスプレッソに限られていない点です。
日本豆乳協会の解説では「エスプレッソに温めた豆乳を加えて作られますが、自宅で作る場合は、少し濃く抽出したコーヒーでも代用することができます。」と書かれています(日本豆乳協会「ソイラテ」の解説)。つまり、家にエスプレッソマシンがないからソイラテは作れない、ということにはなりません。
やりがちなのは、名前に「ラテ」とつくのでエスプレッソが必須だと思い込み、いつものドリップコーヒーをいつもの濃さで淹れて豆乳を足してしまうパターンです。豆乳で割る分だけコーヒーの味は薄まるので、普段の濃さのままだと豆乳の風味が前に出た、ぼんやりした味になりやすくなります。協会が「少し濃く」と添えているのは、この薄まりを見込んでいるからだと読み取れます。
家で作るときは、まず「ベースのコーヒーをいつもより濃くする」ことを最初の調整ポイントにしてください。豆乳の量を減らすより、コーヒー側を濃くするほうが、ラテらしいまろやかさを残したまま味の芯を出しやすくなります。
カフェラテは1:4、カフェ・オ・レは1:1という公式の目安
分量を考えるうえで手がかりになるのが、牛乳で作るラテ系ドリンクの比率です。全日本コーヒー協会は、カフェ・オ・レを「ドリップコーヒーにミルクを1:1の割合で合わせたもの」、カフェラテを「エスプレッソとミルクを1:4の割合で合わせたもの」と説明しています(全日本コーヒー協会のコラム)。
同じコラムでは具体例として、カフェ・オ・レはコーヒー粉15g・お湯120mL・牛乳100mL、カフェラテはエスプレッソ30mL・牛乳120mL、カプチーノはエスプレッソ50mL・牛乳80mLが示されています。協会のページに比率の理由は書かれていませんが、ベースの濃さの違いと考えると整理しやすくなります。なお、同じページのカフェ・オ・レの作り方は「濃いめのコーヒーを抽出し」から始まっています。
注意したいのは、これらはすべて牛乳での例だという点です。日本豆乳協会のページにはソイラテそのものの分量比の記載はなく、豆乳に置き換えた公式の比率もありません。ドリップコーヒーを使うのに1:4で豆乳を入れると、エスプレッソ前提の比率をドリップに当てはめることになり、薄く感じやすくなります。
コツは「ベースがエスプレッソ系ならカフェラテの比率、ドリップならカフェ・オ・レの比率」を出発点にし、そこから好みで豆乳を増減することです。比率はあくまで牛乳での目安として扱い、自分の舌で微調整してください。

抹茶やフルーツも「ソイラテ」?広い意味と6月12日の記念日
ソイラテという言葉は、コーヒーだけに使われるわけではありません。日本豆乳協会は、抹茶やフルーツなどと豆乳を組み合わせたラテもソイラテに位置付けています。カフェのメニューで「抹茶ソイラテ」のような名前を見かけるのは、この広い意味での使い方です。
また、日本豆乳協会は記念日も制定していて、協会のお知らせでは「6月12日の『ヘルシーソイラテの日』」と紹介されています(日本豆乳協会のお知らせ)。「6」を調和、「12」を豆乳の語呂に見立てた日付です。
混乱しやすいのは、レシピを検索したときに抹茶やフルーツのソイラテと、コーヒーのソイラテが同じ名前で並ぶことです。抹茶のレシピの分量をそのままコーヒーに当てはめると、濃さの前提が違うため味が合わないことがあります。当サイトはコーヒーの専門サイトなので、この記事では以降「コーヒーをベースにしたソイラテ」に絞って解説します。
レシピを参考にするときは、ベースが何か(エスプレッソか、ドリップか、それ以外か)を最初に確認してください。ベースが違えば、豆乳との比率も変わると考えるのが自然です。
ソイラテ=コーヒーやエスプレッソに豆乳を合わせた飲み物(日本豆乳協会)。広い意味では抹茶やフルーツと豆乳のラテも含む。
カフェラテ=エスプレッソとミルクを1:4の割合で合わせたもの(全日本コーヒー協会)。
カフェ・オ・レ=ドリップコーヒーにミルクを1:1の割合で合わせたもの(同)。
カプチーノ=ラテとの違いはミルクの泡立て方で、厚みのあるフォームドミルクを合わせる(同)。
豆乳は4種類に分かれる?ラテで失敗しにくいのはどれか
スーパーの豆乳は日本農林規格の「大豆固形分」で分かれている
豆乳売り場に並ぶ商品は、見た目は似ていても中身の濃さが違います。日本豆乳協会によると、豆乳は日本農林規格(JAS)による大豆固形分の含有量に基づいて区分されています。パッケージの「無調整豆乳」「調製豆乳」「豆乳飲料」という名前は、この区分を表しています。
区分の基準は大豆固形分の割合です。無調整豆乳(豆乳)は「大豆固形分8%以上(大豆たんぱく質換算3.5%以上)」、調製豆乳は「大豆固形分6%以上(大豆たんぱく質換算2.8%以上)」、豆乳飲料のうち果汁入り以外は「大豆固形分4%以上(大豆たんぱく質換算1.7%以上)」とされています(日本豆乳協会「豆乳の種類」)。果汁入りの豆乳飲料は大豆固形分2%以上(大豆たんぱく質換算0.9%以上)です。
ありがちな失敗は、フレーバー付きの豆乳飲料を何気なく選び、コーヒーと合わせたら甘さや香りがぶつかってしまうケースです。豆乳飲料は大豆固形分が少なく、ほかの原材料が加わっている分、コーヒーの風味と競合しやすくなります。なお、二次サイトには大豆たんぱく質換算の数値を別の値で載せているものもありますが、この記事では日本豆乳協会の公式ページの数値を採用しています。
買うときは、パッケージの名称欄で「豆乳」「調製豆乳」「豆乳飲料」のどれかを確認してください。商品名のキャッチコピーではなく、名称の表示を見るのが確実です。
| 区分 | 大豆固形分(JAS) | 大豆たんぱく質換算 | ソイラテでの扱い(日本豆乳協会の案内より) |
|---|---|---|---|
| 無調整豆乳(豆乳) | 8%以上 | 3.5%以上 | 分離しやすいので温めすぎず少量ずつ加える |
| 調製豆乳 | 6%以上 | 2.8%以上 | 分離しにくく手軽に作れる |
| 豆乳飲料(その他) | 4%以上 | 1.7%以上 | 協会ページに記載なし(風味の組み合わせに注意) |
| 豆乳飲料(果汁入り) | 2%以上 | 0.9%以上 | 協会ページに記載なし(コーヒー向きとはいえない組み合わせになりやすい) |
手軽さなら調製豆乳、大豆の風味を残したいなら無調整豆乳
ソイラテに使う豆乳で迷ったら、まずは調製豆乳から始めるのが失敗しにくい選び方です。日本豆乳協会のソイラテの解説には「調整豆乳は分離しにくいので、より手軽に作ることができます。」とあります(日本豆乳協会「ソイラテ」の解説)。
一方で無調整豆乳については、同じページで「無調整豆乳を使用して作る場合は、分離しやすいので豆乳を温めすぎないようにして、少量ずつ加えましょう。」と注意が添えられています。無調整豆乳は大豆固形分の基準が高い区分で、大豆そのものの風味を残したい人には魅力がありますが、扱いには少し気を使う、ということです。
やりがちなのが、普段飲んでいる無調整豆乳をそのまま鍋で勢いよく温め、熱いコーヒーに一度に注いでしまうことです。これは協会の注意点(温めすぎない・少量ずつ)を両方とも外しているので、分離が起きやすい条件がそろってしまいます。
使い分けの目安は、「とにかく失敗なく作りたい日は調製豆乳」「大豆の風味を楽しみたい日は無調整豆乳を、温度と注ぎ方に気をつけて」です。初めての一杯は調製豆乳で作り、慣れてきたら無調整豆乳に挑戦すると、違いもつかみやすくなります。
成分表で見る豆乳と調製豆乳の違い
無調整豆乳と調製豆乳の違いは、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の数値でも確かめられます。食品成分データベースでは、どちらも可食部100gあたりの値で示されています(文部科学省 食品成分データベース)。
成分表の「豆乳(04052)」は、可食部100gあたりエネルギー43kcal、水分90.8g、たんぱく質3.6g、脂質2.8g、炭水化物2.3gです。「調製豆乳(04053)」は、可食部100gあたりエネルギー61kcal、水分87.9g、たんぱく質3.2g、脂質3.6g、炭水化物4.8gとなっています。調製豆乳は炭水化物や脂質の値が豆乳より大きく、たんぱく質は豆乳のほうが大きいことが読み取れます。
読み間違えやすいのは単位です。成分表は「100gあたり」で、ミリリットルではありません。コップ1杯分などに換算した数値を見かけても、それは成分表そのものの値ではないので、この記事ではml換算はしていません。また、数値は成分の違いを示すもので、どちらが体によいといった優劣を示すものではありません。
パッケージの栄養成分表示は商品ごとに違うので、実際に使う豆乳の値を知りたいときは、手元の商品の表示を確認するのが確実です。
コーヒーに入れた豆乳が固まるのはなぜ?分離の2つの理由

理由1:コーヒーが酸性だから
ソイラテの分離でまず知っておきたいのは、コーヒーの「酸」が関わっていることです。日本豆乳協会のサイトに掲載された寄稿記事(一般社団法人母子栄養協会 代表理事・川口由美子氏)には「豆乳は酸性状況下では、分離しやすくなります。」とあり、続けて「コーヒーは酸性なので豆乳が固まりやすいのです。」と説明されています(日本豆乳協会サイト掲載の寄稿「豆乳料理の失敗を防ぐ分離しにくい加熱のコツとおいしい調理法」)。
これは、コーヒーが特別に悪いわけではなく、豆乳のたんぱく質が酸に反応しやすい性質を持っているためです。牛乳で作るラテでは気にならないことが、豆乳では目に見える形で現れることがある、という違いです。
やりがちな失敗は、分離したときに「豆乳が古かったのでは」と考えてしまうことです。もちろん状態の確認は大事ですが、新しい豆乳でも、酸性のコーヒーに加える以上は分離は起こり得ます。原因を取り違えると、豆乳を買い替えても同じことが繰り返されます。
対策としては、酸の影響を受けにくい調製豆乳を選ぶ、無調整豆乳なら少しずつ加えて全体をなじませる、という協会の案内どおりの方法が出発点になります。一気に注ぐと、局所的にコーヒーの中で豆乳が固まりやすくなるため、少量ずつ混ぜながら合わせる手順が効いてきます。
理由2:加熱でたんぱく質が変わるから
もう一つの理由は温度です。先ほどの寄稿記事では、豆乳を加熱すると固まることがあるのは「豆乳に含まれる大豆たんぱく質が加熱によって変性しやすく、条件によっては凝集につながるため」と説明されています(日本豆乳協会サイト掲載の寄稿)。日本豆乳協会がソイラテの作り方で「温めすぎないように」と案内しているのも、この性質と合わせて読むと納得しやすくなります。
つまり、ソイラテの分離は「酸性のコーヒー」と「熱」の2つが重なったときに起きやすくなります。熱々のコーヒーに、さらに熱々に温めた豆乳を入れる、という組み合わせは、両方の条件をいちばん強くそろえてしまう作り方です。
家庭でよく見かけるのが、鍋で豆乳を温めているうちに目を離し、ふつふつと煮立たせてしまうケースです。同じ寄稿記事では、加熱料理で豆乳を使うときのコツとして「なるべく後入れ」「弱めの加熱」「煮立てすぎない」の3つが挙げられており、考え方はソイラテでも同じです。
温める目安として具体的な温度を示した公式の情報は確認できなかったため、この記事では数値は書きません。代わりに「沸騰させない」「弱火で温める」「温まったらすぐ火を止める」という、加熱を控えめにする方向で調整してください。
分離しにくくする順番と、植物性ミルク全般に通じる考え方
酸と熱という2つの理由がわかると、対策の組み立ても見えてきます。豆乳は温めすぎない、コーヒーに少しずつ加える、分離が心配なら調製豆乳を選ぶ。この3つを組み合わせるのが、日本豆乳協会の案内に沿った基本の防ぎ方です。
手順としては、カップにベースのコーヒーを用意し、温めた豆乳を少量だけ注いで軽く混ぜ、なじんだのを確かめてから残りを加えていきます。少量ずつ加えるのは、コーヒーの中で豆乳の割合が急に変わらないようにするためです。最初の少量でなじめば、残りも分離しにくくなります。
この「酸と熱を意識して少しずつ合わせる」という考え方は、豆乳以外の植物性ミルクでラテを作るときにも参考になります。オーツミルクなど別の植物性ミルクの扱いは、それぞれの記事で詳しく整理しています。

鍋で無調整豆乳を煮立たせ、熱いコーヒーにまとめて注ぐと、豆乳がもろもろと固まりやすくなります。原因は「コーヒーの酸」と「加熱」の2つが同時に強くかかるため。対策は、豆乳を沸騰させずに温める、少量ずつ注いで混ぜる、分離が気になるなら調製豆乳に替える、の3つです(日本豆乳協会の案内より)。
エスプレッソがなくても大丈夫?ベースのコーヒーの用意のしかた
家では「少し濃く抽出したコーヒー」で代用できる
意外と知られていないけれど、ソイラテを広めている日本豆乳協会自身が、エスプレッソでなくてもよいと書いています。先に紹介したとおり、自宅で作る場合は少し濃く抽出したコーヒーでも代用できる、という案内です。マシンを買う前に、まず手持ちのドリッパーで試せるということです。
濃く抽出する理由は、豆乳で割ったときの薄まりを補うためです。カフェ・オ・レの例(コーヒー粉15g・お湯120mL・牛乳100mL)は、ドリップコーヒーにミルクを1:1で合わせる組み立てでした。これと同じ割合で豆乳を合わせるなら、ベースは普段より濃いめにしておくと味がぼやけにくくなります。
濃くする方法としては、湯量を変えずに粉を増やす、粉の量を変えずに湯量を減らす、のどちらかが考えやすいところです。ただし、濃さを出そうとして細かく挽きすぎたり、ゆっくり時間をかけすぎたりすると、苦味や雑味が強く出ることがあります。濃さと雑味は別物なので、まずは粉と湯の比率で濃さを調整するのが無難です。
ドリッパーごとの粉量・湯量の目安はメーカーによって異なります。手持ちの器具の取扱説明書や抽出ガイドの基本量を確認し、そこから「少し濃く」寄せる、という順番で考えると迷いにくくなります。
本来のエスプレッソとはどういうコーヒーか
代用の話をする前に、本来のベースであるエスプレッソがどういうものかを確認しておきましょう。全日本コーヒー協会は、エスプレッソを「極細挽きのコーヒー粉に約9気圧の圧力をかけて短時間で抽出するコーヒー」と説明しています(全日本コーヒー協会のコラム)。
同じコラムには、粉6〜9gで「一杯分(25〜35mL)を20〜30秒間で一気に抽出する」とも書かれています。圧力をかけて短時間で少量を取り出すので、ドリップより濃い液体になります。カフェラテが1:4というミルク多めの比率でも味が負けないのは、このベースの濃さがあるからです。
よくある誤解が、家庭用の直火式器具で淹れたコーヒーを「エスプレッソそのもの」と考えてしまうことです。約9気圧の圧力をかけるエスプレッソマシンとは別の方式なので、この記事では直火式で淹れたものは「エスプレッソ風の濃いめのコーヒー」として扱います。
ソイラテのベースを選ぶときは、「本物のエスプレッソ」「エスプレッソ風の濃いコーヒー」「濃いめのドリップ」のどれを使うかで、豆乳を合わせる比率の出発点を変える、と覚えておくと便利です。エスプレッソとカプチーノの違いについては別記事でも詳しく解説しています。
モカポット(直火式)で濃いめのベースを作るときの手順
エスプレッソ風の濃いコーヒーを家で作る器具として知られるのが、直火式のモカポットです。ここではビアレッティの「モカエキスプレス」の日本語版取扱説明書をもとに、手順を確認します(ビアレッティ モカエキスプレス取扱説明書)。
取扱説明書では、まず「ボイラー (2) の安全バルブ (1) の下まで冷水を入れます。図(A)」と案内されています。次にろうと形フィルターをボイラーにセットし、モカ用に挽いたコーヒーを入れます。このとき「コーヒーをろうと型フィルター(3)に押さえつけないでください。」とあり、縁に粉が残らないようにすることも求められています。極細挽きは使わず、モカ用の挽き目を使います。
そのあとサーバーをねじ込み、力をかけすぎずに締めます。ガス台では弱火で、炎がはみ出さないようにします。電気コンロやガラスセラミックでは最大火力にしないよう案内されています。サーバーにコーヒーがいっぱいになったら熱源から外し、カップに注ぎます。また、最初は水だけで使用し、最初の3回は抽出したコーヒーを飲まないよう書かれています。
ビアレッティの製品ページでは各種サイズがあると案内されています。IH調理器で使う場合は、ビアレッティのインダクションプレート・アダプターを必ず使うよう書かれています(IH対応の別モデル「モカ インダクション」もあります)。取扱説明書では、オーブンや電子レンジでの使用も禁じられています。
| 方式 | 熱源で加熱し内部に圧力がかかる直火式。エスプレッソマシン(約9気圧)とは別方式 |
| 入れるもの | ボイラーには冷水(安全バルブの下まで)。水以外の液体は入れない |
| 挽き目 | モカ用に挽いたコーヒー。極細挽きは使わない・押さえつけない |
| 火加減・熱源 | ガスは弱火で炎がはみ出さないように。IHはビアレッティのインダクションプレート・アダプター使用時のみ。電子レンジ・オーブン不可 |
| サイズ展開 | 各種サイズあり(公式製品ページ) |
「一度にソイラテを作れるのでは」とボイラーに豆乳を入れるのは厳禁です。取扱説明書には「ボイラーやサーバーには水以外の液体を入れないでください。」と明記されています。濃さを出そうとして極細挽きの粉を詰めて押し固めるのも、取扱説明書の案内に反します。モカポットで作るのはあくまでベースのコーヒーだけ。豆乳は別に温めてから合わせましょう。
ホットソイラテ作り方の手順|温め方と注ぐ順番

分量はベースの濃さから逆算して決める
ホットソイラテの分量は、ベースのコーヒーの種類で決めるのがわかりやすい方法です。先に触れたとおり、ソイラテ自体の公式の分量比はありません。そこで、全日本コーヒー協会がミルクで示している比率を出発点にします。
エスプレッソやエスプレッソ風の濃いコーヒーを使うなら、カフェラテの「1:4」(エスプレッソ30mL・牛乳120mLの例)を目安にします。濃いめのドリップを使うなら、カフェ・オ・レの「1:1」(コーヒー粉15g・お湯120mL・牛乳100mLの例)が出発点になります。いずれも牛乳での例なので、豆乳では風味の感じ方が変わる可能性があり、あくまで調整のスタート地点です。
やりがちなのは、レシピの数字だけを見て、ベースの種類を確認せずに分量だけ真似ることです。ドリップを使っているのにエスプレッソ用の比率で豆乳を入れれば、豆乳が多すぎて薄く感じます。逆に、エスプレッソに1:1で豆乳を合わせると、コーヒーの苦味が強く残ります。
コツは、最初の一杯は比率どおりに作り、「薄い」と感じたらベースを濃くする、「強い」と感じたら豆乳を少し足す、と一方向ずつ調整することです。2つを同時に変えると、どちらが効いたのかわからなくなります。
豆乳の温め方:鍋もレンジも「温めすぎない」が共通ルール
豆乳を温める方法は、鍋でもミルクパンでも電子レンジでもかまいません。どの方法でも共通するのは、日本豆乳協会が案内している「温めすぎない」ことです。加熱の強さと時間が、分離のしやすさに直結するからです。
鍋やミルクパンで温めるなら、弱めの火にかけ、ときどき混ぜながら様子を見ます。縁がふつふつしてきたら火を止めるくらいの意識で、煮立たせないようにしましょう。電子レンジなら、一度に長く加熱するより、短く区切って取り出し、混ぜてから追加で温めるほうが温めすぎを防ぎやすくなります。具体的な加熱時間は器の大きさや機種、豆乳の量で変わるため、ここでは数値を示しません。
よくある失敗は、「冷めるとおいしくないから」と最初から熱々にしてしまうことです。熱いコーヒーに合わせるのですから、豆乳までしっかり熱くする必要はありません。むしろ、熱を重ねるほど分離の条件がそろってしまいます。
加熱式のミルクフォーマーや電動の温め器具を使う場合は、豆乳を使えるかどうか、どのように使うかが機種によって異なります。取扱説明書で豆乳への対応と使い方を確認してから使ってください。
注ぐ順番は「コーヒーが先、豆乳を少しずつ」
カップに合わせる順番は、ベースのコーヒーを先に入れ、温めた豆乳をあとから少しずつ加える、が基本です。日本豆乳協会の「エスプレッソに温めた豆乳を加えて作られます」という説明も、コーヒーに豆乳を加える流れになっています。
あとから少しずつ加える理由は、分離のところで見たとおりです。コーヒーの酸性の環境に豆乳が一度に大量に入ると、局所的に固まりやすくなります。少量を注いで混ぜ、なじんだのを確かめてから残りを注ぐと、全体がゆっくりなじんでいきます。
やりがちな失敗は、豆乳を先にカップに入れておき、そこへ熱いコーヒーを勢いよく注ぐことです。この順番だと、豆乳の量を少しずつ調整できず、味の調整もしにくくなります。無調整豆乳を使うときは、とくに注ぎ方に気をつけてください。
注ぎ終わったら、スプーンで軽く混ぜて全体を均一にします。砂糖やシロップを入れる場合は、豆乳を加える前にコーヒーに溶かしておくと、溶け残りが少なくなります。
泡をのせたいときの考え方
カフェのような泡をのせたい場合は、豆乳を泡立ててからのせます。全日本コーヒー協会は、カプチーノとラテの違いをミルクの泡立て方に置き、カプチーノは厚みのあるフォームドミルクを合わせると説明しています。泡を多くすればカプチーノ寄り、少なめならラテ寄り、という見方ができます。
泡立ての道具には、手で上下に動かすタイプ、電池で回す小型のハンディタイプ、加熱しながら泡立てる電動タイプなどがあります。加熱する器具かどうかで、豆乳を温めてから泡立てるのか、器具に任せるのかが変わるので、手持ちの器具の型を確認してから使ってください。
注意したいのは、泡を立てようとして豆乳を何度も温め直すことです。温め直しを繰り返すほど加熱が重なり、分離の条件に近づきます。泡立ちが思うようにいかなくても、まずは味のよい一杯を優先し、泡は控えめでよいと割り切るのも一つの方法です。
泡立ちのよさは豆乳の種類や商品によっても違いが出る可能性があります。泡にこだわるなら、商品によっては「ラテ用」など用途が書かれているものもあるので、パッケージの表示を手がかりにしてください。
冷たいアイスソイラテは何が違う?加熱しない分の注意点
温めない分、分離の理由が一つ減る
アイスソイラテは、ホットと比べて分離の条件が一つ少ない作り方です。分離の理由は「コーヒーの酸」と「加熱」の2つでした。冷たい豆乳を使えば加熱の要素はなくなり、残るのはコーヒーの酸の影響だけになります。
ただし、酸の影響は残っています。日本豆乳協会サイト掲載の寄稿にある「豆乳は酸性状況下では、分離しやすくなります」という説明は温度にかかわらない性質なので、アイスでも無調整豆乳を一度に大量に注ぐと、なじみにくさを感じることがあります。冷たいから何をしても大丈夫、というわけではありません。
やりがちなのが、熱いままのコーヒーを氷の入ったグラスに注ぎ、すぐに冷たい豆乳を合わせる作り方です。コーヒーが十分に冷えていないと、加熱の要素が残ったままになります。また、熱いコーヒーで氷が一気に溶けて味が薄まる原因にもなります。
コツは、ベースのコーヒーを先に冷やしておくか、氷でしっかり冷やしてから豆乳を合わせることです。アイスでも、豆乳は少しずつ注ぐ、という基本は変わりません。
氷で薄まる分、ベースはホット以上に濃さを意識する
アイスソイラテで味がぼやける原因の多くは、氷が溶けた水です。豆乳で割る薄まりに、氷の水が加わるので、ホットよりもさらにベースの濃さが必要になります。日本豆乳協会の「少し濃く抽出したコーヒー」という考え方は、アイスではより意識したいポイントです。
アイスコーヒーを淹れるときは、氷で冷やすことを前提に濃いめに淹れるのが基本の考え方です。湯量を控えめにして濃く落とし、その分を氷で補う方法が知られています。具体的な湯量と氷の量の考え方は、アイスコーヒーの淹れ方の記事で整理しています。

失敗例として多いのは、作り置きのアイスコーヒーをそのまま使い、氷と豆乳を足して薄くなってしまうケースです。作り置きを使うなら、氷を少なめにする、豆乳を控えめにする、といった調整で薄まりを抑えてください。
グラスにはまず氷とコーヒーを入れ、よく冷えたのを確かめてから冷たい豆乳を注ぐと、層が分かれた見た目になり、混ぜれば一体になります。
ホットは「酸+加熱」の2つ、アイスは「酸」の1つが分離の条件になります。アイスは分離の面では作りやすい一方、氷で薄まるのでベースはホット以上に濃さを意識しましょう。どちらも「コーヒーが先、豆乳は少しずつ」という順番は共通です。
アイスでも調製豆乳は扱いやすい選択肢
アイスソイラテで豆乳を選ぶときも、迷ったら調製豆乳が扱いやすい選択肢です。日本豆乳協会は調製豆乳を分離しにくく手軽に作れると案内しており、酸の影響が残るアイスでも、この性質は役に立ちます。
無調整豆乳を使いたい場合は、少量ずつ注ぐ協会の案内をアイスでも守ってください。加熱をしない分、ホットより分離の心配は小さくなりますが、コーヒーの酸の影響を受けやすい点は変わりません。大豆の風味をしっかり感じたい人には、冷たい無調整豆乳はそのままの風味が出やすい組み合わせです。
注意したいのは、開封した豆乳の扱いです。冷蔵保存が必要な商品か、常温保存できる商品か、開封後はいつまでに飲みきるかは、商品ごとにパッケージに表示されています。アイスでは冷蔵庫から出した豆乳をそのまま使うことが多いので、表示どおりに保存されているかを確認してください。
夏場に作り置きをする場合も、豆乳を混ぜた状態で長く置くより、ベースのコーヒーだけを冷やしておき、飲むたびに豆乳を合わせるほうが、分離や風味の変化を気にせずに済みます。
カフェイン・アレルギー表示・アレンジ…ソイラテの気になる疑問
カフェイン量は「使ったコーヒーの量」で決まる
ソイラテのカフェイン量を考えるときのポイントは、豆乳ではなくベースのコーヒーにあります。豆乳でいくら割っても、カップに入れたコーヒーの量が同じなら、含まれるカフェインの量は変わりません。
食品安全委員会のファクトシート「食品中のカフェイン」では、コーヒーは「60 mg/100 ml」(浸出方法:コーヒー粉末10g、熱湯150ml)、インスタントコーヒー(顆粒)は57 mg/100 ml(インスタントコーヒー2g、熱湯140ml)と紹介されています(食品安全委員会ファクトシート「食品中のカフェイン」)。このファクトシートは平成23年3月31日作成、平成30年2月23日最終更新の版です。
誤解しやすいのは、「濃いめに淹れたコーヒーを使うソイラテは、そのぶん量が少ないからカフェインも少ない」と単純に考えることです。濃く淹れれば同じ量でも成分は多くなる可能性があり、ファクトシートの値はあくまで示された浸出方法での数値です。ソイラテ1杯の具体的なカフェイン量は、使うコーヒーの濃さと量で変わるため、ここでは示しません。
体調や妊娠中のカフェインについては医師に相談してください。
大豆と食品表示:パッケージのどこを見るか
豆乳は大豆からできているので、大豆にアレルギーのある人や、家族や来客に出す場面では原材料の確認が欠かせません。食品表示のルールは消費者庁が定めています。
消費者庁の「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック」(令和5年3月作成・令和6年3月一部改訂)では、食品表示基準で表示が義務付けられている特定原材料は、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)の8品目とされています(消費者庁「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック」(PDF))。大豆はこの8品目には含まれず、通知で表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」(20品目)に入っています。
ここでやりがちなのは、「特定原材料の8品目に入っていないから表示されない」と決めつけることです。大豆は表示が「推奨」の品目で、義務ではありません。対象品目は見直されることがあるので、最新の内容は消費者庁のページで確認してください。豆乳そのものは原材料欄に大豆が書かれているはずですが、ソイラテに加えるシロップやトッピングなど、ほかの材料の原材料欄も合わせて見ておくと安心です。
反対に、牛乳を避けたくて豆乳を選ぶ場合も、豆乳飲料などには乳成分を含む商品がないとは限りません。パッケージの原材料欄とアレルギー表示を、毎回確認する習慣をつけておきましょう。
読者タイプ別:どの作り方から始めるか
ここまでの内容を、家での状況別に整理します。どの方法も、日本豆乳協会の「濃いめのコーヒー」「温めすぎない」「少量ずつ」という3つの案内を組み合わせたものです。
ドリッパーしか持っていない人は、いつもより濃く淹れたドリップコーヒーに、調製豆乳をカフェ・オ・レの1:1を目安に合わせるところから始めるのが手軽です。器具を増やさずに試せ、分離の心配も少ない組み合わせです。モカポットを持っている人は、エスプレッソ風の濃いベースが作れるので、カフェラテの1:4を目安に豆乳を多めにしても味がぼやけにくくなります。
大豆の風味を楽しみたい人は無調整豆乳を選び、弱めの火で温めすぎないこと、少量ずつ注ぐことを守ってください。暑い時期や分離が心配な人は、加熱の要素がないアイスから試すと、失敗が少なくなります。アレンジしたい人は、シロップなどの甘みを豆乳を加える前のコーヒーに溶かしておくと混ざりやすくなります。
はじめは条件を一つずつ変えるのがコツです。豆乳の種類、ベースの濃さ、比率のどれか一つだけを変えると、自分の好みがどこにあるのかがつかみやすくなります。
まとめ
最初の一杯は、いつもより少し濃く淹れたドリップコーヒーに、調製豆乳を少しずつ注ぐところから始めてみてください。そこから豆乳の種類やベースの濃さを一つずつ変えていくと、自分好みのソイラテの形が見えてきます。
※最新情報は日本豆乳協会・全日本コーヒー協会・各メーカーの公式サイトでご確認ください。

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