MENU

マキネッタクレマは出る?通常の直火式とブリッカの違い、水量120ml・180mlの理由

マキネッタクレマは出る?通常の直火式とブリッカの違い、水量120ml・180mlの理由のアイキャッチ画像

マキネッタで淹れたコーヒーをカップに注いでみると、カフェで見るエスプレッソのような茶色い泡がほとんど立っていない。豆が悪いのか、火加減が違うのか、それともそもそも家の直火式では無理なのか。マキネッタを使い始めた人が、最初に引っかかりやすいのがこの「クレマ問題」です。

先に答えを言うと、通常のマキネッタは、エスプレッソマシンのようなきめ細かいクレマを作る器具ではないと説明されています。泡が少ないのは、淹れ方の失敗とは限りません。一方で、ビアレッティにはクレマのために抽出口へシリコン膜のバルブを組み込んだブリッカという直火式があり、取扱説明書では水とコーヒーの量を守ることがクレマの条件として挙げられています。

この記事では、クレマの正体と良いクレマの見分け方から、通常のモカエキスプレスとブリッカの手順の違い、クレマが出ない・吹きこぼれる・漏れるときの確認ポイント、IHで使う場合の注意、長く使うための手入れまで、UCCの用語辞典やメーカー公式の取扱説明書に書かれている範囲で整理します。

📌 この記事でわかること

・通常のマキネッタでクレマが立ちにくい理由と、泡が少なくても失敗とは限らない根拠
・色・泡の強さ・砂糖の沈み方で見る、良いクレマの目安
・ブリッカとモカエキスプレスの手順の違い(水の量り方・火から下ろす合図)
・クレマが出ない・こぼれる・漏れるときに取扱説明書で確認する順番と手入れ

目次

マキネッタクレマが出にくいのはなぜ?直火式の仕組みと泡の正体

マキネッタクレマが出にくいのはなぜ?直火式の仕組みと泡の正体の解説画像

クレマはエスプレッソの表面に浮かぶキメ細かい泡のこと

まず、何を「クレマ」と呼んでいるのかをはっきりさせておきましょう。UCCのコーヒー用語辞典では、クレマを「エスプレッソの液面に浮かぶキメ細かい泡のこと。スプーンでかき回しても消えないくらいしっかりした泡が理想とされている。」と説明しています(UCC コーヒー用語辞典「クレマ」)。ポイントは、ただの泡ではなく、キメが細かく、混ぜても消えにくい泡を指していることです。

キーコーヒーの解説でも、エスプレッソは表面のクレマとその下のコーヒー液の2層に分かれているとされています(キーコーヒー「エスプレッソとコーヒーの違い」)。つまりクレマは、液体の上に別の層として乗っている状態をイメージするとわかりやすいんです。

やりがちなのは、注いだ直後に表面へ大きめの泡が少し浮いただけで「クレマが出た」と判断したり、逆に泡が見えないだけで「淹れ方が悪い」と決めつけたりすること。見るべきは泡の量より、キメの細かさと、液体とは別の層になっているかどうかです。カップに注いだら、まず真上から表面の様子を眺め、スプーンで軽く触れてみると判断しやすくなります。

マキネッタは蒸気圧で湯を押し上げて抽出する器具

マキネッタは、UCCの用語辞典で「直火式エスプレッソ」として紹介されている器具で、エスプレッソを抽出するための直火式の抽出器具であり、蒸気圧によって抽出すると説明されています。イタリアでは家庭で多く使われているとも書かれています(UCC コーヒー用語辞典「直火式エスプレッソ」)。

構造はシンプルです。下のボイラーに水を入れ、その上にろうと型フィルターをセットして粉を入れ、上部のサーバーを締めて火にかけます。ボイラーで温められた水が圧力によって粉の層を通り、上のサーバーへ上がってくる仕組みです。ビアレッティのモカエキスプレスの取扱説明書では、ボイラーの安全バルブの下まで冷水を入れるよう案内されています。

一方、UCCのマガジンでは、エスプレッソを細かく挽いたコーヒー粉に圧力をかけて一気に抽出する、イタリア生まれのコーヒーと紹介しています。マキネッタも圧力で抽出する点は同じですが、マシンとは圧力をかける方法が異なります。部品の名前(ボイラー・ろうと型フィルター・サーバー・安全バルブ)は取扱説明書の図で確かめておくと、後で説明を読むときに迷いません。

UCCの用語辞典は直火式ではマシンのような泡は作れないと説明

マキネッタのクレマについて、いちばん直接的に書いているのがUCCの用語辞典です。直火式エスプレッソの項目には「蒸気圧によって抽出するが、エスプレッソマシンでいれるときのようなきめ細かな泡(クレマ)は作れない。」とあります(UCC コーヒー用語辞典「直火式エスプレッソ」)。

では、マシンではなぜクレマが立つのか。UCCのマガジンでは講師が業務用エスプレッソマシンの手順として、極細挽きの粉に圧力をかけて通すと、本来分離する熱湯とアロマオイルがしっかり混ざり合う(乳化する)と説明しています。マシンで泡ができる仕組みとして語られているのは、この乳化です。

ここでやりがちな失敗が、マシン用の極細挽きの粉をマキネッタにそのまま使って、マシンと同じ泡を出そうとすること。ビアレッティの取扱説明書は、モカ用に挽いたコーヒーを使い、極細挽きは使わないよう案内しています。マシンの条件をマキネッタに持ち込むのではなく、器具ごとの取扱説明書に合わせるのが基本です。

あわせて読みたい
エスプレッソとカプチーノの違いは「泡」にあり!9気圧の抽出とラテ・マキアートまで
カフェのメニューに「エスプレッソ」と「カプチーノ」が並んでいると、どちらも小ぶりなカップで出てくることが多く、何がどう違うのか迷いますよね。濃いのはどっちなのか…

実は、泡が少ないのは淹れ方の失敗とは限らない

意外と知られていないけれど、通常のマキネッタの取扱説明書には、表面の泡を守るような手順は書かれていません。むしろビアレッティのモカエキスプレスの取扱説明書には「抽出後、コーヒーカップにそそぐ前にコーヒーをかき混ぜてください。」というアドバイスがあります(モカエキスプレス 取扱説明書(PDF))。

抽出の途中で上がってくる液と最後に上がってくる液を混ぜて、カップに注ぐ。通常のマキネッタでは、こうした手順が案内されているわけです。泡を崩さないように注ぐことより、サーバーの中身を混ぜてから注ぐことが案内されている、と言い換えてもいいでしょう。

泡が少ないことを気にして火力を上げたり、粉を詰め込んだりすると、後で触れる吹きこぼれや安全バルブからの漏れにつながりかねません。通常のマキネッタでは「クレマは主役ではない」と割り切り、混ぜてから注ぐ。それでも泡のある一杯を家で楽しみたいなら、クレマのために設計された器具を検討する、という順番で考えると無理がありません。

📖 用語チェック

クレマ=エスプレッソの液面に浮かぶキメ細かい泡(UCC コーヒー用語辞典)。
直火式エスプレッソ=エスプレッソを抽出するための直火式の抽出器具。蒸気圧で抽出する(同辞典)。マキネッタはこの種類の器具を指す呼び名として使われます。
乳化=本来分離する熱湯とアロマオイルが混ざり合うこと。UCCのマガジンでは業務用マシンでクレマができる仕組みとして説明されています。

良いクレマはどこで見分ける?色・泡の強さ・砂糖の3つの目安

色はクリーミーなキャメル色がひとつの目安

クレマの状態を見るとき、まずわかりやすいのが色です。デロンギ公式のFAQでは「理想的なクレマは、クリーミーで褐色または焦げ茶色に近いキャメル色をしています。」と説明しています(デロンギ公式FAQ)。

ここで押さえておきたいのは、この説明がエスプレッソメーカー(マシン)向けのFAQに書かれているという点です。マキネッタやブリッカの泡にそのまま当てはめて合否を決めるものではなく、「マシンのクレマはこういう色を目指している」という参考値として読むのが正確です。

やりがちなのは、白っぽい粗い泡を見て「クレマが出た」と喜んでしまうこと。色が薄く、泡の粒が目で見えるほど大きい場合は、キメ細かい泡とは別物の可能性があります。カップは内側が白いものを使うと、泡の色と液体の色の境目が見やすくなり、毎回の比較もしやすくなります。

スプーンでかき回しても消えない泡かどうか

色の次は、泡の強さです。UCCの用語辞典は、スプーンでかき回しても消えないくらいしっかりした泡が理想とされていると説明しています。見た目だけでなく、触れたときに残るかどうかが一つの判断材料になるわけです。

これは、クレマがキメ細かい泡であることと結びついています。粒の大きい泡は触れるとすぐ弾けて消えますが、キメの細かい泡は液面にとどまりやすい。だからこそ、スプーンで軽く混ぜてみると、ただの気泡なのか、層として乗っているクレマなのかが見分けやすくなります。

注意したいのは、通常のマキネッタの抽出液でこのテストをして「消えたから失敗」と判断しないこと。前の章で触れたように、UCCは直火式ではマシンのようなきめ細かな泡は作れないと説明しています。このテストは、クレマを狙って設計された器具で淹れたときや、マシンのエスプレッソと見比べるときに使うと意味が出てきます。

砂糖を入れてもすぐ沈まなければ抽出が整っている合図

もう一つ、家でも試しやすい目安が砂糖です。UCCのマガジンでは「クレマの出来は、抽出の善し悪しをはかるバロメーターにもなります。」としたうえで、砂糖を入れたときにすぐ沈まず、クレマの上にのることを目安として紹介しています(UCC マガジン)。

泡の層に厚みとキメがあると、砂糖の粒がその上で一瞬とどまります。逆に泡が粗かったり薄かったりすると、砂糖はすぐ液体の中へ落ちていきます。色や見た目より、変化がはっきり目に見えるのがこの方法の良いところです。

やりがちなのは、角砂糖を勢いよく落としてしまうこと。高いところから落とすと泡を突き破りやすく、正しく見られません。スプーンに少量のグラニュー糖をのせ、液面の近くからそっと落とすと様子がわかりやすくなります。なお、この方法もUCCのマガジンではマシンでのエスプレッソの話として紹介されているので、マキネッタで試すときは比較の目安として使ってください。

あわせて読みたい
コーヒーのクレマとは?名前の由来は「クリーム」、薄い・すぐ消える原因と1杯約20秒の目安 エスプレッソを淹れたのに、表面の泡が白っぽくてすぐに消えてしまう。お店で見るような、カップ全体を覆う茶色の泡の層にならない。家でエスプレッソマシンや直火式の...
📌 押さえておきたいポイント

クレマの見分け方は「色(キャメル色)」「強さ(スプーンで混ぜても消えない)」「砂糖(すぐ沈まない)」の3つ。いずれもマシンのエスプレッソを前提にした目安なので、通常のマキネッタで淹れた一杯を合否判定する物差しにはしないこと。

クレマ用のブリッカは普通のモカポットと何が違う?

クレマ用のブリッカは普通のモカポットと何が違う?の解説画像

抽出口にシリコン膜を応用したバルブを持つ

ビアレッティのブリッカは、通常のマキネッタとは抽出口の構造が違います。日本公式サイトでは「シリコン膜を応用する新テクノロジーとモカの独創性が組み合わされた結果、バールと同様の本格的なエスプレッソが出来上がります。」と紹介されています(ビアレッティ公式「ブリッカ」)。特許取得済みのセーフティバルブ付きとも説明されています。

ここで大事なのは、これはメーカー自身による製品説明だという点です。UCCの用語辞典は直火式一般について「マシンのようなクレマは作れない」と説明し、ビアレッティはブリッカについてシリコン膜のバルブでクレマのある一杯ができると説明しています。両者は対象が違う説明で、ブリッカのクレマをマシンと比べた公的機関・協会の測定値は、今回確認した範囲(UCC・キーコーヒー・ビアレッティ日本公式・デロンギ公式、2026年10月8日確認)では見つかりませんでした。

やりがちなのが、抽出口のバルブを分解して洗おうとすること。ブリッカの取扱説明書には「抽出口のバルブシステム(2)は絶対に外さないでください。」と明記されています(ブリッカ 取扱説明書(PDF))。クレマを生む部品だからこそ、外さずに使うのが前提です。

水はバルブの下までではなく付属の計量カップで量る

手順でいちばん違うのが水の入れ方です。モカエキスプレスはボイラーの安全バルブの下まで冷水を入れますが、ブリッカは付属の計量カップで量った水を入れます。取扱説明書の水量は、2カップ用が付属の計量カップで120ml、4カップ用が180mlです。

なぜここまで量にこだわるのか。ブリッカの取扱説明書には「クレマのあるコーヒーを作るには、水とコーヒーの量を守ることが重要です。」と書かれています(ブリッカ 取扱説明書(PDF))。メーカーがクレマの条件として真っ先に挙げているのが、水と粉の量なんです。

やりがちな失敗は、モカエキスプレスに慣れた人が、いつもの癖でボイラーの安全バルブの下まで水を入れてしまうこと。同じビアレッティの直火式でも、水の量り方は型によって違います。ブリッカを使うときは、計量カップを本体のそばに置いておき、毎回量る習慣をつけるのがいちばん確実です。

火から下ろす合図が「いっぱい」ではなく「クレマができたら」

火から下ろすタイミングも違います。モカエキスプレスは、サーバーにコーヒーがいっぱいになったら熱源から外すよう案内されています。ブリッカは、サーバーにコーヒーとクレマができたら熱源から外す、という案内です。

ブリッカの取扱説明書によると、加熱して数分後に少量のコーヒーが出始め、クレマができ始めたことを示すブリッカ特有の吹き出し音がします。音が合図になっているので、サーバーの中を何度も覗き込まなくても、抽出の進み具合がつかめるわけです。熱源から外したあとも数秒間バルブシステムから音がすることがありますが、取扱説明書ではこれは異常ではないとされています。

やりがちなのは、モカエキスプレスと同じ感覚で「サーバーが満タンになるまで」火にかけ続けること。ブリッカの取扱説明書には、こぼれるときの対処として、抽出が終了しクレマができたら熱源から外すよう書かれています。音がしたらコンロの前を離れない、が基本です。

素材・原産国と日本公式サイトでの販売状況

素材は取扱説明書に記載があります。ブリッカは本体がアルミニウム合金、特殊バルブがステンレス鋼、パッキンがシリコンゴム(耐熱温度220℃)、ハンドル・ツマミがナイロン(耐熱温度120℃)。原産国はルーマニアです。モカエキスプレスは本体がアルミニウム合金、パッキンがシリコンゴム(耐熱温度220℃)、ハンドル・ツマミがナイロン(耐熱温度120℃)で、原産国はイタリアと記載されています。

ハンドルとツマミは樹脂なので、取扱説明書が繰り返す「ガス台では炎をボイラーからはみ出させない」という案内とあわせて覚えておくと、火加減に気を配りやすくなります。

販売状況にも注意が必要です。ビアレッティ日本公式サイトの表示では、ブリッカの製品ページは在庫切れ(Out of stock)、ブリッカ インダクションは在庫ありでした(確認日2026年10月8日)。表示は変わることがあるので、購入を考えるときは公式サイトの製品ページで最新の状況を確かめてください。

📊 3つの直火式を取扱説明書で比較(コーヒーの教科書調べ)
項目 モカエキスプレス ブリッカ ブリッカ インダクション
水の入れ方 ボイラーの安全バルブの下まで冷水 付属の計量カップで2カップ用120ml/4カップ用180ml 付属の計量カップで既定の量(170ml)
クレマについての記載 記載なし。抽出後、注ぐ前にかき混ぜるよう案内 水とコーヒーの量を守ることが重要 水とコーヒーの量を守ることが重要
火から下ろす合図 サーバーにコーヒーがいっぱいになったら サーバーにコーヒーとクレマができたら 取扱説明書の手順で確認
熱源の注意 ガス台は弱火、炎をはみ出させない ガス台は弱火、電気コンロ・ガラスセラミックは最大火力にしない IH対応。最大火力にせず中火、ブースト機能は使わない
原産国 イタリア ルーマニア ルーマニア

出典:ビアレッティ日本語取扱説明書(モカエキスプレス・ブリッカ・ブリッカ インダクション)、ビアレッティ日本公式サイト。

ブリッカでクレマを立てる工程、取扱説明書はどこを強調している?

水は毎回、付属の計量カップで量る

ブリッカの手順の出発点は水の計量です。取扱説明書の手順1は、モカエキスプレスのようにバルブの下まで入れるのではなく、付属の計量カップで量った水をボイラーに入れること。2カップ用なら120ml、4カップ用なら180mlです。

クレマの条件として取扱説明書が挙げているのは「水とコーヒーの量を守ること」。さらに、よくある質問の「クレマが作られない」場合の確認項目でも、真っ先に水の量が正しいかを確かめ、必ず付属の計量カップを使うよう書かれています。クレマについて、メーカーがいちばん繰り返している注意がここなんです。

やりがちなのは、計量カップをなくしてしまい、目分量やほかのカップで代用すること。容量が近くても、カップの縁まで入れるか線まで入れるかで量は変わります。計量カップは本体と一緒に保管し、もし見当たらないときはキッチンスケールで量るなど、毎回同じ量を入れられる方法を用意しておくと安心です。

粉はモカ用の挽き目で、押さえつけず縁に残さない

次は粉です。取扱説明書では、モカ用に挽いたコーヒーを使い、極細挽きのコーヒーは使わないよう案内されています。そして、ろうと型フィルターに粉を入れたら押さえつけないこと、ボイラーの縁に粉を残さないことが書かれています。

押さえつけない、という指示は、マシンでエスプレッソを淹れたことがある人ほど意外に感じるかもしれません。マシンではタンピング(粉を押し固める作業)をしますが、ブリッカでは押さえないのが手順です。取扱説明書のよくある質問では、安全バルブから漏れるときの確認項目に、挽き目がモカ用か、粉を押さえつけていないかが挙げられています。

やりがちな失敗は、泡をたくさん出したくて、エスプレッソマシン用の細かい粉をぎゅっと詰めること。これは取扱説明書の案内と正反対です。粉を入れたらフィルターの縁を指で軽くなぞり、ボイラーの縁に付いた粉を払ってから本体を締めると、後で触れる水漏れの予防にもなります。

火加減は弱火〜中火、最大火力にしない

火加減は熱源ごとに案内が分かれています。ガス台では弱火にして、炎がボイラーからはみ出さないようにすること。電気コンロやガラスセラミックのコンロでは、最大火力にせず中火にすることが取扱説明書に書かれています。

強火にすれば早く抽出できるように思えますが、取扱説明書は火力を上げる方向の案内をしていません。炎がはみ出すと、ボイラーの外側を伝って持ち手のほうへ熱が回りやすくなります。ハンドルとツマミがナイロン(耐熱温度120℃)であることも、火加減を控えめにする場面で覚えておきたい点です。

やりがちなのは、小さなブリッカを大きなバーナーに直接のせてしまうこと。炎の輪がボイラーの底からはみ出していないか、横からかがんで確認するのがコツです。五徳が大きくて安定しない場合は、器具を置く前に位置を確かめ、傾かない状態で火をつけましょう。

吹き出し音が合図、クレマができたら火から外す

最後の工程が、火から下ろすタイミングです。取扱説明書によると、数分後に少量のコーヒーが出始め、クレマができ始めたことを示すブリッカ特有の吹き出し音がします。そして、サーバーにコーヒーとクレマができたら熱源から外します。取扱説明書には「抽出が終了しクレマができたら、ブリッカを熱源から外してください。」とも書かれています(ブリッカ 取扱説明書(PDF))。

外したあとに数秒間バルブから音が続いても、取扱説明書ではこれは異常ではないとされています。慌てて蓋を開けたり、もう一度火に戻したりしなくて大丈夫です。

やりがちなのは、音がしたあとも「もう少し出るかも」と火にかけ続けること。こぼれる原因になりやすいので、音がしたらすぐ外せるように、ミトンや鍋敷きを先に用意しておきましょう。なお、新しいブリッカは水だけでよく洗い、取扱説明書のアドバイスでは「最初の3回は抽出したコーヒーは飲まないでください。」とされています(ブリッカ 取扱説明書(PDF))。

⏱️ ブリッカの手順の流れ(取扱説明書より)
Step1:使い始めは水だけでよく洗う。最初の3回に抽出したコーヒーは飲まない
↓
Step2:付属の計量カップで水を量ってボイラーへ(2カップ用120ml/4カップ用180ml)
↓
Step3:モカ用に挽いた粉をろうと型フィルターへ。押さえつけず、ボイラーの縁に粉を残さない
↓
Step4:しっかり締めて加熱。ガス台は弱火で炎をはみ出させない、電気コンロ等は中火
↓
Step5:吹き出し音がしてサーバーにコーヒーとクレマができたら、すぐ熱源から外す

クレマが出ない・吹きこぼれる・漏れる…症状別に取扱説明書で原因を探す

クレマが出ないときは、まず水の量を疑う

ブリッカでクレマができないとき、取扱説明書のよくある質問が最初に挙げている確認項目は水の量です。「水の量が正しいことを確認してください。必ず付属の計量カップを使用して下さい。」と書かれています(ブリッカ 取扱説明書(PDF))。

豆の種類や焙煎度を疑いたくなる場面ですが、取扱説明書の確認順は水が先です。挽き目・豆の鮮度・火加減がクレマにどれくらい影響するかを数値で示した記載は、公式の取扱説明書にはありません。だからこそ、メーカーが明記している水と粉の量から順に見直していくのが近道です。

よくある失敗は、モカエキスプレスと同じように安全バルブの下まで水を入れてしまうケース。手持ちのモカエキスプレスと並行して使っている人ほど起こりやすい取り違えです。水を入れる前に、手元の器具がどちらか、型名と取扱説明書を見て確かめる。これだけで「クレマが出ない」の多くは切り分けられます。

⚠️ やりがちな失敗①:モカエキスプレスの癖で水を入れる

原因:通常のマキネッタは「安全バルブの下まで」、ブリッカは「付属の計量カップで量る」と、水の入れ方が型で違うのに同じやり方をしてしまう。
対策:ブリッカでは毎回計量カップを使う(2カップ用120ml/4カップ用180ml)。クレマが出ないときも、取扱説明書の案内どおり最初に水の量を確認する。

吹きこぼれるときは、火から外すのが遅れていないか

サーバーからコーヒーがこぼれるときについて、取扱説明書のよくある質問は、抽出が終了しクレマができたらブリッカを熱源から外すよう案内しています。つまり、こぼれる原因として見直すべきは、火から外すタイミングです。

通常のマキネッタに慣れていると、サーバーがいっぱいになるまで待つのが当たり前になっています。ところがブリッカの合図は、吹き出し音とクレマができた状態。合図の基準が違うので、同じ感覚で待つと抽出が進みすぎて、こぼれやすくなるわけです。

家でよくあるのが、火にかけたまま別の作業を始め、音に気づくのが遅れるパターンです。ブリッカを火にかけたら、数分間はコンロの前で待つと決めておくのがいちばんの対策。ミトンと鍋敷きを先に出しておけば、音がしてすぐ外せます。外したあとに数秒音が続いても、それは取扱説明書上は異常ではありません。

安全バルブから漏れるときは、挽き目・押さえ・水の入れすぎ

ボイラーの安全バルブから水や蒸気が漏れるときの確認項目も、取扱説明書に挙がっています。挽き目がモカ用になっているか、粉を押さえつけていないか、水を入れすぎていないか、の3点です。これで解決しない場合は、使用をやめて販売店に相談するよう案内されています。

3つの項目に共通するのは、どれも「お湯が粉の層を通りにくくなる方向」の操作だということです。細かすぎる粉、押し固めた粉、多すぎる水は、マシンのクレマを真似しようとしたときにやりがちな組み合わせでもあります。

安全バルブは、ボイラーの中の圧力を逃がすための部品です。ここから漏れるのは、器具からの「条件が合っていない」というサインと受け止めましょう。漏れが起きたら、無理に使い続けず火を止め、器具が冷めてから粉と水の条件を見直します。それでも続く場合は、自己判断で部品をいじらず販売店に相談してください。

本体のつなぎ目から水が漏れるときは、締め方とパッキン

上下のつなぎ目から水が漏れるとき、取扱説明書では、しっかり締めたか、パッキンが摩耗していないか、ボイラーの縁に粉が残っていないかを確認するよう案内しています。

ボイラーの縁に粉が残っていると、パッキンとの間にすき間ができ、密閉が甘くなります。粉を入れる工程で縁を払うよう案内されているのは、この漏れを防ぐことにもつながります。また、パッキンは消耗品で、摩耗したら交換が必要です(交換の目安は手入れの章で触れます)。

やりがちなのは、締めるときにハンドルを持ってねじること。持ちやすい位置ですが、力のかけ方に気をつけたいところです。粉を払ってから上下をまっすぐ合わせ、最後までしっかり締める。それでも漏れが続くなら、パッキンの状態を目で見て、ひび割れや変形がないかを確かめましょう。

Q 火から外したのに、ブリッカからまだ音がします。故障ですか?
A 取扱説明書では、熱源から外したあとも数秒間バルブシステムから音がするのは異常ではないとされています。音が止まるまで蓋を開けずに待ちましょう。
Q エスプレッソマシン用の細かい粉を使えば、泡が増えますか?
A ブリッカの取扱説明書は、モカ用に挽いたコーヒーを使い、極細挽きは使わないよう案内しています。細かすぎる粉は安全バルブからの漏れの確認項目にも挙がっているので、挽き目はモカ用に合わせてください。

IHでも使える?台所の熱源と飲む量で考える選び方

ブリッカ インダクションは2層構造のボイラーでIHに対応

IHのキッチンでクレマのある一杯を考えるなら、候補になるのがブリッカ インダクションです。日本公式サイトでは「この製品は、革新的なバイレイヤー – 2層構造 – ボイラーにより、IH調理器にも対応します。」と紹介されています(ビアレッティ公式「ブリッカ インダクション」)。

取扱説明書の素材欄を見ると、本体上部はアルミニウム合金、ボイラーはステンレス鋼とアルミニウム合金、ろうと型フィルターはステンレス鋼です。ボイラーに異なる素材を組み合わせた構造が、IH対応の説明と結びついています。公式ページではクレマについても、シリコン膜を応用するコラムがクレマを増やし豊かにする目的で設計・開発されたと説明しています(いずれもメーカー自身の説明です)。

やりがちなのは、通常のブリッカやモカエキスプレスもIHで使えると思い込むこと。IH対応がはっきり示されているのは、ここで紹介したインダクションの公式ページです。手持ちの器具をIHで使いたいときは、その型の取扱説明書で対応熱源を必ず確かめてください。

📋 プロフィールカード:ブリッカ インダクション
熱源 2層構造ボイラーによりIH調理器にも対応(公式ページ)
素材 本体上部:アルミニウム合金/ボイラー:ステンレス鋼とアルミニウム合金/ろうと型フィルター:ステンレス鋼
水量 付属の計量カップで既定の量(170ml)
使い方のコツ 最大火力にせず中火。IHではブースト機能を使わない。ボイラー直径が調理器の仕様に合うか確認
原産国・販売表示 ルーマニア/日本公式サイトで在庫あり表示(確認日2026年10月8日)

IHではブースト機能を使わず、ボイラーの直径も確認する

ブリッカ インダクションの取扱説明書は、IH、電気コンロ、ガラスセラミックのいずれでも最大火力にせず中火にするよう案内しています。そしてIHについては「IH調理器の場合、ブースト機能は使用しないで下さい。」と明記されています(ブリッカ インダクション 取扱説明書(PDF))。

もう一つの注意が、ボイラーの直径です。取扱説明書には、IH調理器を使う場合はコーヒーメーカーのボイラー直径が調理器の仕様に適合していることを確認するよう書かれています。IHで加熱されないときの確認項目にも、同じくボイラー直径の適合が挙がっています。

やりがちなのは、「加熱が遅い」と感じてブーストを押してしまうこと、そして反応しないのを故障だと思い込むこと。まずはIH調理器側の取扱説明書で、対応する鍋底の大きさを確認しましょう。そのうえでブリッカ インダクションのボイラー直径と見比べると、加熱されない原因の切り分けがしやすくなります。

同じブリッカでも水量は型ごとに違う、2カップ用と4カップ用の考え方

水量は、型ごとに取扱説明書で確かめるのが鉄則です。通常のブリッカの日本語取扱説明書では2カップ用が120ml、4カップ用が180ml。ブリッカ インダクションの取扱説明書では170mlと記載されています。通販ページなどで見かける数値と公式の取扱説明書の数値が食い違うこともあるので、手元の型の取扱説明書を正本にしてください。

容量を選ぶときは、1回に飲む量と、毎回計量カップで量る手間を合わせて考えると決めやすくなります。ブリッカは水の量を守ることがクレマの条件なので、少しだけ淹れたいからと水を減らすような使い方は、取扱説明書の考え方とは合いません。普段1人で飲むのか、2人分を一度に淹れたいのかで、2カップ用と4カップ用を選び分けるのが自然です。

⚠️ やりがちな失敗②:別の型の水量をそのまま流用する

原因:ネットで見た「ブリッカの水量」をうのみにして、手元の型と違う数値で量ってしまう。通常のブリッカ(4カップ用180ml)とブリッカ インダクション(170ml)でも取扱説明書の記載は異なる。
対策:型名を確かめ、その型の取扱説明書の水量で量る。付属の計量カップを使うのが前提。

手持ちの器具と目的で選ぶ、読者タイプ別の使い分け

最後に、台所の熱源と目的別に整理しておきます。すでに通常のモカエキスプレスを持っていて、ガス台で使っている人は、まずクレマは主役ではないと割り切り、取扱説明書どおり抽出後にかき混ぜてから注ぐのがおすすめの楽しみ方です。泡より、マキネッタらしい濃さと香りに目を向けると満足度が上がります。

ガス台でクレマのある一杯を狙いたい人は、クレマ用に設計されたブリッカが候補になります。ただし、日本公式サイトでは在庫切れ表示(確認日2026年10月8日)だったので、購入前に販売状況を確かめてください。IHのキッチンなら、IH対応と明記されたブリッカ インダクションが選択肢になります。

ミルクと合わせてラテのように楽しみたい人は、抽出した液の量と濃さを基準に考えるとミルクの量も決めやすくなります。ミルクとの割り方の考え方は、こちらの記事が参考になります。

あわせて読みたい
カフェラテ作り方|エスプレッソ40ml・ミルク140mlの例と冷たい牛乳で泡が変わる理由
家でカフェラテを作ってみたら牛乳の味しかしない、泡がすぐ消えてしまう、カフェで飲むようななめらかさにならない。そんな経験はありませんか。原因の多くは、豆やマシン…

マキネッタクレマを保つ手入れ、洗剤を使わない理由とパッキン交換

洗剤や研磨スポンジを使わず、必ず手洗いする

ブリッカの手入れの基本は、取扱説明書の「洗剤や研磨スポンジを使用せずに必ず手洗いし、時間の経過とともに品質が変わらないようにしてください。」という一文に集約されています(ブリッカ 取扱説明書(PDF))。あわせて、食器洗浄機での洗浄には適していないことも明記されています。

本体はアルミニウム合金なので、研磨スポンジでこすると表面を傷めるおそれがあります。取扱説明書が「品質が変わらないように」と理由を添えているのは、長く同じ状態で使うための手入れとして案内しているからです。

やりがちなのは、ほかの食器と一緒に食洗機に入れてしまうことと、内側の茶色い色を落とそうと洗剤でこすり洗いすること。使い終わったら器具が冷めてから分解し、ぬるま湯で粉を流して手で洗う、を習慣にしましょう。抽出後にろうと型フィルターをたたいて粉を落とすのも避けてください。取扱説明書では、破損や変形で密閉できなくなるおそれがあるとされています。

水道水の石灰は、クエン酸か酢で落とす

水道水を使っていると、ボイラーやバルブに石灰がたまることがあります。取扱説明書には石灰除去の方法が書かれていて、ボイラーの所定のレベルまで水を入れ、小さじ2杯のクエン酸または酢を加え、粉を入れずに抽出し、その液を捨てて流水で洗う、という手順です。

粉を入れずに抽出することで、ふだんお湯が通る経路全体にクエン酸や酢の液を通せます。洗剤を使わない手入れが基本の器具なので、たまった石灰はこの方法で落とすのが取扱説明書の案内です。

やりがちなのは、クエン酸の液をそのまま飲めると思ってカップに注いでしまうことと、終わったあとすすぎが足りず酸っぱさが残ること。抽出した液は必ず捨て、流水でよく洗い流しましょう。不安なら、そのあと水だけで一度抽出して捨てておくと安心です。

⏱️ 石灰除去の流れ(ブリッカ取扱説明書より)
Step1:ボイラーの所定のレベルまで水を入れる
↓
Step2:小さじ2杯のクエン酸または酢を加える
↓
Step3:コーヒー粉を入れずに抽出する
↓
Step4:抽出した液を捨て、流水で洗い流す

バルブとフィルターは詰まりを定期的に点検する

クレマを生む抽出口のバルブは、外さずに手入れします。取扱説明書によると、水道水の石灰がバルブの穴にたまるおそれがありますが、洗浄のときに外に出ているピストンを軸に沿って動かすだけで防げるとされています。定期的な点検も案内されています。

ろうと型フィルターについては、穴が詰まっていないかを定期的に確認し、詰まっていれば柔らかい毛のブラシか針の先で取り除くよう書かれています。フィルターの穴は、お湯が粉の層を通る出口です。ここが詰まると、お湯の通り方が変わってしまいます。

やりがちなのは、バルブの汚れが気になって分解しようとすること。前の章でも触れたように、抽出口のバルブシステムは絶対に外さないよう取扱説明書に書かれています。洗うときはピストンを動かすだけにとどめ、フィルターは光に透かして穴をチェックする、という分担で覚えておくと手入れが続けやすくなります。

パッキンは最低年1回交換、乾かして閉めずに保管

パッキンは消耗品です。取扱説明書には「パッキンが摩耗した場合は交換してください。いずれの場合も最低年に1回は交換することをおすすめ致します。」とあります(ブリッカ 取扱説明書(PDF))。摩耗していなくても、年に1回は交換するのが目安というわけです。

パッキンはシリコンゴム(耐熱温度220℃)で、上下を締めたときの密閉を担っています。つなぎ目からの水漏れの確認項目にパッキンの摩耗が挙がっていたように、ここが傷むと水漏れにつながります。

保管は、すべての部品を完全に乾かしてから、閉めずにしまうよう取扱説明書で案内されています。やりがちなのは、洗ったあとすぐ上下を締めて棚に戻すこと。部品を分けたまま乾かし、ゆるく重ねて置いておくと、次に使うときも気持ちよく淹れられます。交換した日付を取扱説明書の余白にメモしておくと、年1回の目安を忘れにくくなります。

まとめ

☕ この記事の結論

通常のマキネッタではマシンのようなクレマは作れないとされます。泡を狙うならブリッカを選び、付属の計量カップで水を量って淹れましょう。

✅ 要点チェック
  • ✔ クレマの正体:液面に浮かぶキメ細かい泡
  • ✔ 通常の直火式:泡より混ぜて注ぐのが基本
  • ✔ ブリッカの水:計量カップで型ごとの量を守る
  • ✔ 火から外す合図:吹き出し音とクレマができたら
  • ✔ 手入れ:洗剤なしで手洗い、パッキン年1回

まずは手元の器具の型名を確かめ、その取扱説明書の「水の入れ方」と「火から外す合図」のページを開いてみてください。通常のマキネッタなら混ぜてから注ぐ、ブリッカなら計量カップで量って音を合図に外す。この2つを守るだけで、泡が出ない理由の多くは自分で切り分けられるようになります。

※製品の仕様・販売状況は変わることがあります。最新情報は公式サイトでご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コーヒーの教科書編集部です。テーマに関する基礎知識や選び方を、公式情報など確認できる情報をもとに編集しています。掲載後も定期的に見直し、変更があれば更新します。

コメント

コメントする

目次